XRISMが昨年12月に観測した超新星残骸N132D(JAXA提供)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、エックス線天文衛星「XRISM(クリズム)」で、超新星爆発の残骸から約100億度の超高温状態にある鉄イオンの観測に成功した。物質やエネルギーが宇宙空間に拡散・循環したプロセスの解明が期待されており、生命誕生の理解にもつながりそうだ。

 観測したのは超新星残骸N132D。地球から約16万光年の距離にある大マゼラン雲の天体で、約3千年前の超新星爆発の痕跡とされる。超新星爆発は星の一生の最後に起こる大爆発で、星を構成した物質が秒速数千~数万キロで拡散する。爆発のエネルギーで合成された鉄が衝撃波で超高温になることは予想されていたが、測定は初めて。

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