東京電力は3日、福島第一原発2号機で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)を取り出し装置で持ち上げた動画を公開した。だが、その後、装置先端にあるカメラの映像が確認できないトラブルが起き、取り出し作業は中断している。原因は特定できておらず、再開時期は見通せない。
東電によると、9月14日、原子炉格納容器の底部に取り出し装置の先端をたらし、長さ3~4センチ程度の細長い燃料デブリを持ち上げた。この日の作業は燃料デブリを装置でつまめるかの確認が目的だったという。
しかし、同17日朝、燃料デブリを再びつまむために装置の動作確認をしていたところ、現場から離れた場所にある「遠隔操作室」で装置先端のカメラ2台の映像が表示されなくなった。
東電は、格納容器内の高い放射線量のせいで、カメラの電源を長時間切ったことで帯電し、電源を入れたときに過剰な電流が流れて回路が停止した可能性があると推定。格納容器から装置を引き抜き、比較的放射線量が低い「隔離箱」に収納し、電源を入れたり切ったりして様子をみたが、今月3日までに復旧しなかった。4日はカメラに通常より高い電圧をかけて復旧するか試す。カメラやケーブルの交換も検討しているという。(玉木祥子、福地慶太郎)
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