日本ガイシの小林社長は中国需要の先行きに懸念を示す

日本ガイシが26日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比26%減の405億円だった。半導体市況の悪化やスマートフォン販売の低迷に伴い、半導体製造装置向け部品や電子部品の出荷が減少した。中国向けの需要減を受け、電子部品の製造設備で減損損失70億円を計上したことも響いた。主力の排ガス浄化装置は堅調だったが、補えなかった。

売上高は4%増の5789億円だった。排ガス浄化装置などを含む「エンバイロメント事業」は13%の増収だった。中国での排ガス規制の強化を背景に、自動車向けの需要が伸びた。為替の円安進行も収益を押し上げた。

営業利益は663億円と1%減った。ヒーターなど半導体製造装置用部品を含む「デジタルソサエティ事業」が87%の減益で、全体の利益を押し下げた。同日名古屋市内で記者会見した小林茂社長は、「中国の需要減が厳しく、電子部品の回復がいつになるかは見通しにくい」と話した。

同日発表した25年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比7%増の6200億円、純利益が31%増の530億円となる見通し。半導体製造装置向け製品の需要が下期から回復すると見込んでいる。

日本ガイシ株は午後1時40分の決算発表後に急騰した。終値は前日比5%(101.5円)高の2176.5円と、6年ぶりの高値をつけた。

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