「正倉院展」は奈良市にある正倉院の宝物を公開する秋の恒例行事で、ことしは初出展の11件を含む57件が公開されています。

このうち「黄金瑠璃鈿背十二稜鏡」は、鏡の背面に12枚の花びらをかたどった装飾が施されています。

花びらの1枚1枚は銀の薄い板に黄色、緑、深緑の3色の七宝釉薬を焼き付けたもので、現存する正倉院の宝物で唯一の七宝細工の鏡として貴重なものです。

また、「紫地鳳形錦御軾」は聖武天皇が使っていたとされる「ひじつき」で、表面の絹織物にはペルシャやローマで使われていた葡萄唐草文と中国の鳳凰の文様が組み合わされた国際色豊かな装飾が施されています。

大阪から訪れた40代の男性は「毎年楽しみにしています。昔のものなのに保存状態がよくてすごいと思います」と話していました。

第76回正倉院展は11月11日まで奈良国立博物館で開かれています。

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