イタリア北部トリノで開催中の主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合は29日、二酸化炭素(CO2)排出削減対策が講じられていない石炭火力発電について、2030年代前半に段階的に廃止することで原則合意した。英国の閣僚が伊メディアに語った。
G7の共同声明に石炭火力の廃止年限が明記されれば初めて。ただし、国内のエネルギー政策で石炭火力の廃止時期を定めていない日本などに配慮し、例外も併記する方向で調整が進む。
ボウイ英エネルギー安全保障・ネットゼロ担当相は同日、伊メディアのインタビューに「石炭火力を30年代前半に段階的に廃止することで合意した」と明らかにした。一方、関係筋によると、参加国のCO2排出削減対策が産業革命前からの世界の気温上昇を1・5度に抑える目標に沿っていることを条件に、時間軸の解釈に幅をもたせられるよう最終調整している。会期は30日まで。
G7参加国のうち国内で石炭火力の廃止時期を定めていないのは日本と米国のみ。ただし、米国は35年までに電力部門を脱炭素化する目標を掲げている。近年のG7会合では、CO2排出量の多い石炭火力について、廃止年限に合意できるかが焦点となってきた。【八田浩輔(ニューヨーク)、山口智】
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