AMDのリサ・スーCEOはAI半導体でエヌビディアを追い上げようとしている(2023年の製品発表会)=ロイター

【ニューヨーク=清水孝輔】米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が30日発表した2024年1〜3月期決算は、売上高が前年同期比2%増の54億7300万ドル(約8600億円)だった。人工知能(AI)向け半導体の収益が拡大したが、ゲーム向けが不振で増収率は伸び悩んだ。

最終損益は1億2300万ドルの黒字(前年同期は1億3900万ドルの赤字)だった。1株当たり利益(EPS)は7セントだった。事業別の売上高ではデータセンター向けが前年同期比80%増の23億ドルとけん引した。一方、ゲーム向けは同48%減の9億2200万ドルだった。

24年4〜6月期の売上高見通しは前年同期比6%増の57億ドル前後と市場予想と同水準だった。業績見通し発表を受け、30日の米株式市場の時間外取引で株価は一時同日終値から8%強下落した。

AMDは30日、24年12月期通期のAI半導体の売上高予想を約40億ドルと従来の35億ドルから上方修正した。一方でAI半導体で先行する米エヌビディアは23年11月〜24年1月のデータセンター部門の売上高が184億ドルとAMDとの差は大きい。

英オムディアによると、エヌビディアのAI半導体の市場シェアは22年に約8割だった。AI半導体を使うクラウド大手などの間にはエヌビディア以外から分散調達する需要がある。AMDはエヌビディアに対抗しようとAI半導体の開発に重点投資している。

【関連記事】

  • ・インテルが最終赤字 1〜3月、AIや受託の収益貢献に遅れ
  • ・NVIDIA、AI半導体で1強鮮明 最先端品に市場も期待

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。