プラスチックごみによる汚染問題に対処する国際条約の策定に向けて、2団体が20日、日本政府に要望書を提出した。積極的な対策を盛り込んだ内容となるよう、日本が交渉でリーダーシップを発揮するよう求めた。
条約づくりの交渉会合は、11月25日~12月1日に韓国の釜山で開かれ、各国が条約内容への合意をめざす。
30歳以下の若者でつくる「プラスチック若者会議」は中田宏環境副大臣に要望書を提出。中高生、大学生、社会人の約50人が7~10月に議論を重ねてきたという。
産業革命前からの世界の気温上昇を1.5度に抑えるという国際目標に整合したプラの生産・使用量の削減や、個人や企業が対策に取り組みやすくするために世界共通のルールを作ることなどを求めた。
国内10社による企業連合は、環境省、経済産業省、外務省の担当者に要望書を手渡した。使い捨ての容器包装など回避可能なプラ製品や環境汚染の懸念のある化学物質を、規制や段階的に廃止するなど、世界共通の法的拘束力のある措置を要望した。
企業連合は23年11月に発足。ウーバー・イーツ・ジャパン、エコリカ、キリンホールディングス、サラヤ、テラサイクルジャパン、日本コカ・コーラ、ネスレ日本、ユニ・チャーム、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス、ロッテの10社が参加している。
若者会議のリーダーの桑野渚(なぎさ)さん(25)は「プラ対策は個人の活動では限界がある。政府には人を巻き込むような仕組みづくりをしてほしい」と求めた。
企業連合に参加するキリンホールディングスの池庭愛さんは「今は企業努力に頼っているところが非常に大きい。まずはビジネスの土俵となる世界一律の国際ルールが必要だ」と話した。(玉木祥子)
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