COP29の会場で途上国に対する気候変動対策資金の拠出を求める活動家=21日、アゼルバイジャン・バクー(共同)

 【バクー共同】アゼルバイジャンで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)は21日、議長が新たな成果文書の草案を公表した。焦点となっている途上国向けの資金支援を巡っては2035年までの目標を作成する方向は示したものの、具体的な金額を示せておらず、途上国と先進国の考え方には依然、隔たりが大きい。

 各国は草案を検討し、22日の最終日に向け妥協点の模索を続ける。日本政府関係者は「決着は見通せない」と話した。

 草案では資金支援目標について二つの選択肢を提示。途上国の考え方を反映したとみられる選択肢では、25~35年に先進国から途上国の債務を増やさない無償供与などの形で資金を流し、気候変動対策に役立てるとした。額は明示せず「年X兆ドル」とした。

 先進国側の考えに近い選択肢も、35年までの枠組みを想定しつつ金額は示さなかった。中国や産油国など経済力のある国にも拠出を期待する内容となっている。

 草案に対し、欧州連合は「途上国の要求が大き過ぎ、実行不可能で受け入れ難い」と酷評した。

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