プラスチックなどのごみが山積みになっている廃棄物集積場=インド・ジャンムー郊外で2024年4月22日、AP

 プラスチック汚染根絶のための条約策定を目指す政府間交渉委員会の最終会合が25日、韓国・釜山で開幕した。プラスチックの生産量やごみの発生量は増え続けており、汚染拡大を防ぐ実効性あるルールに合意できるか注目される。会期は12月1日まで。

 プラ汚染の深刻化を受け、国連環境計画の意思決定機関「国連環境総会」は2022年、汚染根絶に向けて法的拘束力のある国際条約を作る決議を採択した。条文案を協議する交渉委の会合はこれまで4回開催され、今回の会合での合意を目指す。

 最終会合に先立ち、交渉委のルイス・バジャス議長(エクアドル)が各国政府に示した条約素案では、締約国に環境への流出防止策を義務付けることを想定している。一方、主要論点のうち、プラ素材・製品の生産段階の対策を巡っては、各国間で意見の隔たりが大きい。素案に生産規制に関する詳細な記載はなく、交渉は難航が予想される。

 環境省によると、欧州連合(EU)や島しょ国などは生産量削減目標を設定するよう主張しているが、中国やサウジアラビアなどの産油国は生産規制には反対している。日本は一律の規制には反対で、各国の状況に応じて対策を進めることを提案しているという。【大野友嘉子】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。