資源リサイクルの浜田(北九州市)と三菱ケミカルグループの新菱(同)は北九州市と連携し、太陽光パネルのリサイクルとリユース(再利用)に一体的に取り組む。3者が25日に協定を結んだ。2024年度中に浜田が公共施設でリユースパネルを使う発電事業を始める。太陽光パネルの大量廃棄と再生可能エネルギー拡大という課題解決モデルを構築する。
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浜田は10年ほど使用されて廃棄される太陽光パネルを安価に集め、品質を検査して若松市民会館に設置する。定格出力9.9キロワットで、北九州市が出資する新電力の北九州パワーに売電する。採算性を見極めながら、25年度以降も同市の公共施設に設置を広げる。将来はノウハウを蓄積して民間企業や周辺自治体にも拡大する考えだ。
新菱はリユースできないパネルを浜田から引き取り、リサイクル率99%という独自の熱分解処理によりガラスや銅、銀などを取り出して資源循環させる。23年6月に同市内で稼働したプラントの稼働率は20%にとどまるが、「今回のモデルができることで受け入れ量拡大のスピードが上がる」(新菱の土山正明社長)という。
太陽光パネルの寿命は20〜30年とされるが、パワーコンディショナー(電力変換装置)の10年ごとの更新に伴って高出力パネルに取り換えることが多い。パネルの廃棄量は40年代には現在の5倍に増えるとの予測もある。北九州市の武内和久市長は「品質面の不安からパネルの再利用は進んでいないが、普及の先鞭(せんべん)をつけたい」と話した。
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