青森県東通村の畑中稔朗村長は25日、仙台市の東北電力本店と東京・千代田の東京電力ホールディングス(HD)本社を訪れ、東北電東通原子力発電所1号機の早期再稼働や同村で計画が進む東電東通原発1号機の建設再開を要望した。東日本大震災後の長期停止で地元企業の事業縮小や廃業が相次いでおり、地域振興への配慮を求めた。

青森県東通村の畑中村長㊨は東北電力に原発の早期再稼働を要望した(25日、仙台市)

同村は震災後、複数回にわたって要望している。畑中村長は「13年という長い年月止まっており、事業者の世代交代もある。先が見通せず、地元企業では設備投資などの判断に影響している」と強調した。

東北電の樋口康二郎社長は「(再稼働した)女川2号機での経験を活かし、安全対策工事における地元活用につなげる」と述べ、東電HDの小早川智明社長も建設再開に向けた申請や設計など「少しでも早く見通しを示せるようメーカーなどとさらに連携していく」と話した。

東北電東通1号機は2014年6月に適合性審査を原子力規制委員会に申請し、現在も審査が続く。安全対策工事の完了時期をこれまで6回延期しており、新たな工事完了の時期は25年9月末をめどに示すとしている。東電東通1号機も11年1月に着工したが、直後の震災で建設が中断して以来、建設再開のめどは立っていない。

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