ISS滞在への意欲を語るJAXAの大西卓哉宇宙飛行士(27日、東京都千代田区)

2025年に国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大西卓哉・宇宙飛行士が27日、都内で記者会見した。将来、月面探査を担う飛行士に選ばれるにあたって、大西さんは「船外活動の経験を持っているかは大きな要素になる」と述べ、今回の滞在での実現に意欲を示した。

大西さんがISSに滞在するのは16年以来、2回目となる。前回はロシアの宇宙船「ソユーズ」で宇宙に向かったが、今回は米スペースXの「クルードラゴン」を使う。ISS滞在中は日本の実験棟「きぼう」で、将来の有人探査を見据えた二酸化炭素を除去するシステムの技術実証などに携わる。

船外活動をすれば自身初となる。船外活動に臨む飛行士には、宇宙ごみの衝突など数多くの危険に対応する能力が問われる。大西さんは「船外活動をできる資格は持っており、あとは環境が整うかどうかだ」と話した。ISSが2030年末に退役することに言及し、「私自身がISSに行くのは多分これが最後で、集大成のミッションになる」と述べた。

JAXAの宇宙飛行士は、10月に米田あゆさんと諏訪理さんが正式に認定されて、現役では計7人となった。日米両政府の合意で、米主導の月面探査「アルテミス計画」で日本人2人が月面に行くことが決まっている。大西さんは「月には行きたいが、自分にスキルがあるかはまだわからない」と話し、まずはISSのミッションをやり遂げることが重要だという認識を示した。

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