新研究所「CELL(セル)」ではレーザーの全機種をそろえ、顧客の製品開発スピードを上げる(愛知県刈谷市)

古河電気工業は愛知県刈谷市にレーザー加工の研究所を開設したと発表した。レーザーは電気自動車(EV)の主要部品である電動駆動装置「イーアクスル」や電池の銅材料を溶接するなどの作業に使う。刈谷は自動車産業の集積地だ。主要顧客の近くに利便性の高い施設を置くことでサービスや製品の提案をしやすくし、顧客企業の製品開発の期間短縮につなげる。

新設する研究所は「CELL(セル)」という通称で、愛知では2カ所目となる。これまでの愛知の研究所では設置されているレーザー機種が限定的だった。

顧客が何種類かのレーザーで比較検討したい場合、古河電工の事業所や日亜化学の研究所にサンプルを送ったり、足を運んでもらったりと時間がかかっていたという。セルでは全機種をそろえることで生産技術開発のスピード向上につなげる。

古河電工と日亜化学工業が共同で運営する。両社はレーザー発振器に搭載する青色光の半導体レーザー部品を開発してきた。6月には光の出力を高めた部品を開発して、銅の溶接時間を従来比3分の1に短縮した。

刈谷は豊田市に隣接し、自動車部品の世界大手であるデンソーやアイシン、豊田自動織機などトヨタ自動車グループの主要企業が本社や工場を構えている。

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