記者会見に臨んだ富士通のネットワークビジネスフロント本部、島田氏㊥ら(28日、東京都港区)

富士通は28日、英通信サービス大手のコルトテクノロジーサービスが日本で展開する通信網で光伝送装置が初採用されたと発表した。福岡、広島、岡山の3県に設置し、2025年に稼働する。日本国内での採用を足がかりにして、コルトが事業展開する欧州での採用も目指す考えだ。

コルトは法人向けのネットワークを手掛ける。これまでは米シエナや、フィンランドのノキアの光伝送装置を採用してきた。日本国内で製造拠点やサポート体制を整えている富士通製を採用し、ネットワークの安定性を高める。

富士通の光伝送装置

光伝送装置は電気信号を光信号に変換する機能を持ち、光ファイバー通信網に使う。富士通はこれまで主に国内と北米で販売してきたが、今後は欧州への展開も狙う。

富士通製はスーパーコンピューター開発で培った水冷技術を搭載する点が特徴。送風機で冷やす方式の装置と比べて小型化が可能で、二酸化炭素(CO2)排出量は6割少ない。12月にはドイツのデュッセルドルフで実証施設を開き、欧州進出を本格化する。

同日の記者会見で富士通のネットワークビジネスフロント本部マーケティング統括部長の島田裕二氏は「アジアや欧州を視野にいれてネットワークのビジネスを進めていきたい」と話した。

コルトによると欧州の顧客企業からアジア全体のネットワークを提供してほしいという声が強まっているという。

コルトのアジア太平洋地域の事業を統括する水谷安孝氏は富士通製品について「将来的にはグローバルで導入する可能性もある。まず西日本で使ってみて、その後の展開を考えたい」と述べた。

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