完成したのは、アメリカの漫画「ピーナッツ」の作者が1964年に出版した絵本を谷川俊太郎さんが翻訳した「クリスマスはいっしょの時間」です。
「クリスマスは」から始まるユーモアや世相を表した短い文章がおなじみのイラストとともに30点収録され、原文のあとに谷川さんの日本語訳がついています。
このうち「クリスマスはなけなしの5セント玉2枚を救世軍に寄付すること……喜んで……。」という一節では、谷川さんが「喜んで」のあとに原文にはない余韻を示す記号を加えたということです。
谷川さんはスヌーピーの漫画「ピーナッツ」の翻訳者として1万7000以上に上るすべての作品を手がけ日本に広く紹介したことでも知られています。
今回の作品は、ことしの夏ごろから翻訳にあたり、亡くなる3週間ほど前まで刊行に向けた作業を行っていたということです。
編集を担当した河出書房新社の伊藤靖さんは「谷川さんの翻訳は彼や彼女など翻訳小説では避ける傾向にある代名詞もそのまま訳されていて、それが魅力にもなっています。今回の作品も谷川さんの訳によって日本の読者が感情移入できることばがたくさん入っているので、ページをめくりながらスヌーピーたちと豊かな時間を過ごせるのではないかと思います」と話していました。
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