東京電力は13日、福島第一原発2号機の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出し装置を挿入する貫通口にたまっていた堆積(たいせき)物の除去を完了した。今年10月までの取り出し開始をめざすという。

 昨年10月に原子炉の格納容器の貫通口のフタを開けたところ、推計約140リットルもの堆積物が「壁」のようになってほぼ全体を覆っていた。東電は今年1月から、高圧の水で押し流すなどして堆積物の除去作業を続けていた。

 政府と東電は当初、2021年中に2号機で燃料デブリ数グラムを試験的に取り出し始める方針だったが、ロボットアームの動作精度不足などで3回延期。いまは今年10月までに簡易的な「釣りざお式装置」で取り出しに着手し、その後にロボットアームを使う方針としている。東電は今後、釣りざお式装置の製作や訓練を進めるという。(福地慶太郎)

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