シャープは14日、テレビ向け大型液晶パネルを製造している大阪・堺工場について、2024年上半期中に生産を停止すると発表した。赤字が続く中、業績の足を引っ張る液晶事業を縮小し、採算の悪化に歯止めをかける。同時に発表した24年3月期連結決算では、純損益が1499億円の赤字(前期は2608億円の赤字)と、2期連続の大幅赤字となった。
25年3月期の純損益は50億円の黒字に回復する見通し。呉柏勲社長は記者会見で「持続可能な収益構造の確立が課題だ」と指摘した上で「今年度こそ全社で黒字化を成し遂げたい」と話した。
同日発表した中期経営計画では、不振が続く液晶事業のてこ入れ策などを発表。堺工場を運営する子会社「堺ディスプレイプロダクト(SDP、堺市)」に関しては、大型パネルの生産設備や技術を他企業に供与するなどの考えを明らかにした。スマートフォン向けなど中小型ディスプレー事業についても、他社との協業を進めるという。
シャープ本社=堺市
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