定期検査による停止中で再稼働に向けた手続きが進む中国電力島根原発2号機(松江市)は地震や火山噴火など自然災害リスクを適切に考慮しておらず危険だとして、島根、鳥取両県の住民が運転の差し止めを求めた仮処分で広島高裁松江支部(松谷佳樹裁判長)は15日、申し立てを退ける決定書を住民側に交付した。能登半島地震で問題になった避難計画の不備も争点。
島根2号機は事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉。中国電は8月の再稼働を計画したが、安全対策工事の遅れで12月に延期した。東日本大震災以降、沸騰水型では9月の東北電力女川原発2号機(宮城県)に次ぐ再稼働予定とされる。
島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地し、避難計画の策定が必要な30キロ圏に2県6市の計約45万人が暮らす。住民側は1月の能登半島地震の被害を受け、避難計画が定める屋内退避は不可能で「住民は放射性物質が漂う屋外で被ばくを強いられる」と主張した。
中国電側は、避難計画は具体的かつ合理的と国に確認されたなどと反論した。
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