一般公開で講演をする嗅覚センサーを開発した吉川元起グループリーダー=茨城県つくば市並木1の物質・材料研究機構で2024年5月14日午前11時6分、信田真由美撮影

 茨城県つくば市の物質・材料研究機構(NIMS)は26日、構内の研究施設を一般公開する。新材料開発に取り組む60以上の研究室を見学したり研究者と話をしたりできる。

 公開するのは同市千現、並木、桜の3地区にある実験施設や66の研究室。指から蒸発する汗を計測するシステムのデモや、マイナス200度などの低温で電気抵抗がゼロになる「超電導」という現象を利用したミニジェットコースターなどを見学できる。

 水素をマイナス253度に冷やして液化する磁気冷凍装置や半導体の微細加工を行うクリーンルームも初めて公開する。材料の耐久性を調べるために棒状の鋼材を40年以上引っ張り続けてギネス世界記録に認定された「クリープ試験機」も見どころの一つだ。

 牛乳の匂いから牛の健康状態を把握できるセンサーを開発した吉川元起グループリーダーと農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、つくば市)の研究者らによる講演会も開かれる。

 中道康文広報室長は「学校ではほとんど材料科学という分野を扱うことはないが、経済を動かし世界を変えていく重要な分野。若い人たちに研究者の熱や研究の魅力を感じてもらい、将来この分野に進む人が少しでも出てきたらうれしい」と話している。

 公開は午前10時~午後4時(最終入場は午後3時半)。入場無料だが参加登録が要る。当日はつくば駅と同機構の3地区を無料のバスが循環する。【信田真由美】

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