SUVに限らずWRX S4などのセダンなど、もうほぼすべての新車に当たり前のように付いている黒の樹脂パーツ。ひと昔前は経年劣化で白くなったりもしたが、技術革新によって新車と同じ輝きをかなり保てるようにも。でも、なんでここまで樹脂パーツが広まったのか!? 衝撃の理由を一挙に!!!!!

文:デグナー12(Team Gori)/写真:デグナー12(Team Gori)、写真AC

■低コストと軽さが樹脂パーツのメリット

バックドアはサイズが大きく、上部にあるため、軽量化に加えて低重心化のメリットも

 樹脂製のバンパーやフェンダーモールは縁石や壁に接触した時にボディへのダメージを緩和する目的として1990年代末から登場。SUVブームによって、今では外径の大きいタイヤと樹脂製パーツはSUVらしさを象徴する部品の一つとなった。

 しかし、SUV以外のクルマでも樹脂製パーツの装着が年々増加。塗装されていることによって見分けがつきにくいが、ムーヴなど軽自動車のフロントフェンダーやプリウスのバックドアにも樹脂製が使われている。

 樹脂製パーツは金属製に比べて軽量。車重が軽くなれば加減速の性能はもちろん、燃費面でも有利に働く。また、未塗装でも腐食しないため、色別の在庫管理が不要。さらに、複雑な形状でも低コストで成形できる点などが、樹脂製パーツを採用する自動車メーカー側のメリットだろう。

 ちなみに整備面からみても、人手不足、後継者不足である鈑金修理業界では鈑金より部品交換で対応する割合が増加。熟練技術は不要で、未塗装で使用できる部品となれば塗装もしなくて済む。そういう意味ではSUVブームと共に樹脂製パーツの採用、特に未塗装の樹脂製パーツが広まったのは必然だったのかもしれない。

■樹脂パーツのデメリットは紫外線に弱くリサイクルが難しいこと

紫外線に弱く、劣化すると白っぽくなって古びた印象に

 一方、樹脂製パーツは紫外線に弱く、未塗装状態では経年劣化で白っぽくなることがデメリット。フェンダーモールが白っぽくなったSUVを街中で見かけることがあるが、その理由がこれ。状態が良い間にコーティングを施工するなど、対策をしておきたいところだ。

 また、樹脂製パーツは金属製に比べて製造、成形工程で排出されるCO2の量が多い点も懸念材料。さらに、成型方法によって様々な種類に分かれるためにリサイクルが難しく、燃料としての再利用がメインになっているのが現状だ。樹脂製パーツはますます増えるだろうが、その一方でCO2排出量を抑え、リサイクル性のよい素材であることも求められている。

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