インディ・オートノミー・チャレンジ(IAC)は7月17日、自動運転の「AV-24」レースカーが、「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2024」において、自動運転でのヒルクライムの最速記録を樹立した、と発表した。
AV-24は、チームPoliMOVE-MSU(ミラノ工科大学とミシガン州立大学)が開発したAIドライバーによって操縦される。
AV-24はグッドウッド2024の期間中、3回の連続走行を行った。記録が更新されたのは、グッドウッド・ヒルを駆け上がった3本目の最終走行で、最高速度は時速111.2マイル(時速179km)、ゴールタイムは66.37秒だった。これまでの記録は、Roboraceが2019年に「DevBot 2.0」という自律走行車で記録した66.96秒、最高時速101.16マイル(時速162.8km)だった。
グッドウッドは、ヘイベル(干し草の俵)が立ち並び、ランオフスペースが限られた狭いコースとして知られている。グッドウッド2024で自律走行によるヒルクライムに挑戦するには、AV-24のブリヂストン製レーシングタイヤのグリップとスリップのコントロールが必要であり、またGPSが制限された環境での正確なマッピングとローカライゼーションのために、AV-24に搭載されるルミナー社アイリス・レーザーレーダーには通常よりも高い信頼性が要求された。
IACチームとPoliMOVE-MSUチームは、ローマにあるブリヂストンの欧州テクニカルセンターと欧州プルービンググラウンドを訪れ、ブリヂストンのタイヤエンジニアと緊密に連携しながら、ヒルクライムに向けた性能の最適化を図った。チームはまた、タイヤ製造の各工程を見学し、タイヤ性能がサーキットでどの程度影響するのかを検証する機会も得た。
インディ・オートノマス・チャレンジ(IAC)は、インディアナ州インディアナポリス(米国)を拠点とする非営利法人で、世界中の18大学を代表する10の大学付属チームによるレース大会を主催している。それぞれのチームは、AIドライバーをプログラムして完全自律走行レーシングカーを操縦し、世界のサーキットへ挑戦している。IACは、州内にパフォーマンス・オートメーションのためのハブを確立するために活動しており、革新的な競技会の力を利用して、自律走行車の安全性とパフォーマンスにおける最先端技術をさらに向上させるために、世界中から優秀な頭脳を集めている。
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