乗りモノ、バンザイ! ということで馴染みのある乗用車から一歩離れてみると「なんじゃこれ!?」というへんてこ乗りモノはかなりある。国内外から集めた「へんてこ乗りモノ」をご紹介!(本稿は「ベストカー」2013年6月10日号に掲載した記事の再録版となります)

協力:SGT-Date

■プジョー・ボディボード

快適性のかけらもない乗りモノ。決死の覚悟で乗るべし

●体感速度は宇宙一のシロモノ

 トップバッターはこれ。その名も「ボディボード」というプジョーのコンセプト四輪車。水素燃料電池で駆動する電気モーターを各ホイールに内蔵し、ドライバー(というかボーダー?)は車軸よりも低い位置に、ボディボードのようにうつぶせの状態で操縦する。そのため、その体感スピードはF1をも上回るとか! 快感と恐怖が同居しそうだ。

■フェラーリ型自転車

クルマに見えるけど、ホントに自転車なんです(重量:約100kg、ギア:11変速、価格:160万ドル)

●世界で最も遅いフェラーリなのです!

 エンツォフェラーリのパチモノ? と思ったら、実はクルマじゃなくて自転車! オーストラリア人芸術家のハンス・ランジェダーさんが作った「FARFALLA FFX」という自転車。車体は鉄骨やプラスチック管で製作されており、“車両”重量は約100kg。ということで、見た目的にはかなり速そうだが、実際には10km/hほどしか出ない(笑)。ランジェダーさんは2010年にポルシェそっくりな自転車も製作している。

■hiriko(ヒリコ)EV

駐車する時は写真左から右のようにボディが縮まる!

●ボディ全体がググッと縮まり、タイヤも360°回転

 バスク語で“街”を意味する「hiriko」なるこのEV。見た目的にはありがちなコンセプトEVという感じだが、へんてこなのはその駐車方法。ボディ後部がググッと折りたたまれることで、全長がスマートフォーツーの2.7mを上回るというか下回る2.5mまで短くなり、やたらめったら都市のスペース効率がよくなるのだ。そしてタイヤも360°回転!(オドロキ) バスク自治州の企業とマサチューセッツ工科大との共同プロジェクトが開発したもので、今年からの量産を目指している。■

最高速度は90km/h、お値段は1万6000ドル

■Tank Chair(タンクチェア)

AGM12Vバッテリー使用。オーダーメイドで製作

●行きたい時に行きたい場所へ どこでも行ける「オフロード車いす」

 不運にして車いすが必要な状態になったとしても、人は行きたい時に、行きたい場所へと移動したいもの。そこが完全なグラベルだったとしても! ということでアメリカ製の「オフロード車いす」がコレだ(きっかけは、開発者が体の不自由な奥様のために発明)。

 セミバケットタイプの自動車用シートを採用し、高トルクな電気モーターで小型キャタピラを駆動させる。これがあれば雪山にも行けるね、マジで!

■三輪駆動静香

三輪駆動静香(全長:2165mm、価格:36万8000円)

●混む場所では非効率なトラックより三輪車でしょ!

 渋滞が多い都市部で、荷物の宅配用トラックの代わりに活躍が期待される三輪車。60kgまで荷物を積載でき、前輪にアシストモーターがあるので作動もラク。「草刈機まさお」などで知られる筑水キャニコム製。

Wサスペンション搭載で荷物への衝撃を軽減。デコボコ道でも荷物は安心!

■災害時用多目的リヤカー

注)写真はミニサイズ(荷台内寸:縦170cm×横69cm、積載量:200kg、 価格:19万5000円)

●スタイリッシュにアルミで決めたい

 昔のリヤカーのイメージは払拭された。リヤカーは今やスタイリッシュなアルミパネルを備え、電動アシスト自転車でおしゃれに牽引するのがトレンドなのだ。トーホー工業のコレは災害時の使用を想定した大型リヤカーだ。おしゃれで丈夫だ。

■Yike Bike(ヤイクバイク)

持ち運べるほどコンパクトに折りたたむことも可能(重量:10kg、価格:26万400円)

●昔の自転車の形状を彷彿させる未来型電気二輪車。いったいどうやって運転するの?

 風変わりなこの乗りモノはニュージーランド生まれの電気二輪車。極端に前輪が大きいかなり昔の自転車にカタチが似ている。運転者の足は前輪ホイールに付いている台に載せ、両脇のハンドルで速度と方向を操作。面白そうだが、日本では法律によりクローズドな広場などで使えるのみ。公道では走れず。残念! 

■BPG UNOIII(折りたたみバイク)

BPG UNOIII(折りたたみバイク)

●折りたたんだ状態で走行できる奇抜さ&ユニークさ。アメリカ人の発想はすごいのね

 こちらはアメリカBPG社の折りたたみ式電動バイク。写真のようにたたむことができるが、へんてこなのは、この折りたたんだ状態でも走れること! そして、最高速度は56km/hというシロモノ。さらには、走りながら「折りたたみ状態→通常状態」へとトランスフォームさせることも可能(笑)。“乗り物変態道”に対するもの凄い情熱を感じる一台。

■コマツ 対人地雷除去機「D85MS-15」

コマツ「D85MS-15」

●平和のために働き続ける“サムライ・タフガイ”

 1998年から地雷処理の前作業を行なう地雷除去機の開発を手がけてきたコマツ。2003年には本格的に着手し、試作機が完成したという経緯がある。地雷除去機のベースには車体重量約27tのブルドーザーを採用するが、その新型が「D85MS-15」だ。信頼性や耐久性が高く、岩だらけの土地や傾斜地、湿地でもスピーディに走破して、作業する。

 世界各地で活躍中の“サムライ・タフガイ”と呼びたい。

アフガニスタンで活躍中のコマツ D85MS-15

■ヴァーナ・ディアブロIII

バケモノというかばかうけに見えなくもない。価格は1万7000カナダドル

●人力でも最速132.5km/hのバケモノ

 上の写真を見ていただきたい。一見新幹線の頭だけ風だが、下写真のとおり中で人が寝転ぶようにペダルを漕ぐ自転車だ。日本で走らせれば、ほぼ現行犯逮捕レベルだろう。なにせ最高速度記録は132.5km/hで古い軽自動車よりも速い(!?)。一番低いギアでも通常のロードバイクの高めのギアと同程度のギア比。なのでスタートが難しく、安定するまでは誰かが支える必要がある。

ばかうけというかばかじゃない? って上司が言ってました

■“アヴェンタドール”パトカー

“アヴェンタドール”パトカー

●ちょっと番外編的にこんなクルマが!

 「西部警察」の世界を地で行っているのが中東のドバイ。なにせかの地の警察が今年4月、パトカーとして導入したのはランボルギーニアヴェンタドール! 違反者を350km/hで鬼追尾するというよりも、「贅の限りを尽くした都市としての地位を固めるため」とのことらしいが、人生一度はこれに追尾されてみたいね! パトカー仕様のスペックまでは不明なので、ここではアヴェンタドールのスペックを(最高出力&最大トルク:700ps/70.36kgm、最高速度:350km/h、価格:約40万ドル)。

■origami(折り紙)

origami(折り紙)。閉じた時のサイズは長さ96cm 幅35cm 高さ53cm。価格12万8000円

●自分で蓄電するトランスフォーマー

 かさばるモノは折りたためたほうが便利! スマートトレーディングが扱う「origami」は、ボタン一発で折りたためるベビーカー。トランスフォーム(変形)に使う電力は、ベビーカーを走らせることで内蔵蓄電機により発電される。混んだ電車に乗る時や、クルマのトランクにしまう時などに重宝しますな。

■エレクトライク

エレクトライク

●走行安定性も追求した21世紀の三輪EV

 懐かしの三輪車を思い出すカタチだが、二輪の小回りと経済性、四輪の積載性を兼ね備えた三輪EV(日本エレクトライク製)。150kgまで荷物を積める業務用コミューターだ。当初200万円で発売するが、2015年には量産体制にし100万円以下を目指すそうだ。

コックピットはこんな感じ。ひとり乗りです

■Thrust(スラスト)SSC

Thrust(スラスト)SSC(全長:16.5m、車両重量:10.5t、最高速度:1227.985km/h、開発費:約6億円)

●クルマなのにマッハを記録した韋駄天野郎

 その昔、世界中の飛行機野郎が「音速の壁」に挑んだわけだが、クルマもその壁に挑戦。イギリスの「Thrust SSC」はF-4ファントムと同じジェットエンジンを2基積むことで音速の壁を(自動車なのに)突破! マッハ1.016の公式記録を残した。ちなみにその時のドライバーはイギリス空軍の現役パイロット! パイロットが操縦するクルマっていったい……。

(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)

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