日本では2020年7月に惜しまれつつ発売が終了された日産のセダンモデル、ティアナ。ここでは日本での発売開始(2014年2月)に先駆け米国で行われた試乗の様子をプレイバック!(本稿は「ベストカー」2013年6月10日号に掲載した記事の再録版となります)

文/撮影:ケニー中島

■日産の主力セダン ティアナ

ミッドサイズの日産の主力セダン ティアナ

 日産アルティマは北米市場における日産ブランドの中核を担うDセグメントセダンだ。昨年夏に世界に先駆けて北米で5代目が登場し、今春には中国で、そして2014年2月には日本でティアナとして発売開始される予定。

 従来モデルではそれぞれ現地好みのデザインが採用されていたが、新型ではボディパネルを共通化していることもあり、アルティマとティアナのエクステリア面での相違点はグリルインサートのクローム化、ヘッドライト、テールランプ、サイドモールディングくらい。

全長4864×全幅1829×全高1470mmと現行ティアナの全長4850×全幅1795×全高1475mmに比べかなり大柄なサイズになってしまった

 また、北米のアルティマは先代まではクーペボディとハイブリッドモデルをラインアップしていたが、新型はNAの4ドアセダンのみの展開。

 2種類のガソリンエンジンは、182psを発揮する2.5L直4の「QR25DE」と、270psを発揮する3.5LV6の「VQ35DE」で、どちらもエクストロニックCVTとの組み合わせでV6モデルにはパドルシフトが付く。

北米仕様では182psの2.5L直4、QR25DEと270psの3.5LV6、VQ35DEの2種類をラインアップ

 定評あるVQエンジンのパワフルさもかなり魅力的だが、軽量化された4気筒エンジンは燃費向上と7psのパワーアップを両立させていて、なによりも新型CVTとの組み合わせでレスポンスが非常にクイックに仕上げられているところがいい。

 車体の軽量化で約35kg軽くなり、燃費は約2割向上と運動性能アップにつながっているのだ。

 一般路からフリーウェイまでまったくストレスを感じることなく、むしろこちらがベストマッチとの印象を受けた。

 クラス初のアクティブ・アンダーステア・コントロールが付いた4輪独立懸架サスペンションにはZF-SACHS製のショックアブソーバーが組み合わせられ、よりリニアなハンドリングと乗り心地を両立させている。

 インテリアデザインは、クロームとアルミのアクセント部分を増やし、センターコンソールにピアノブラックのパネル。

メーターパネル中央には4インチのマルチインフォメーションディスプレイ「アドバンスド・ドライブ・アシスト」を装備。上級グレードには7インチVGAナビを用意する

 またプラスチックパーツの質感を高めたり、アームレストのソフトパッドの厚みを増やしたりと、全グレードで高級感がアップしている。

 前席にはNASAと共同開発した自然な姿勢で着座できる「ゼログラビティシート」が採用され、大柄なアメリカ人でもバランスよく体をホールドすることで、ロングドライブの疲労低減を図っている。

現行モデルまで「おもてなし」がキーワードだったが……

■日本仕様はこうなる!

 日本仕様のティアナは今年3月のニューヨークショーで発表された2.5L直4エンジン+スーパーチャージャーエンジンに日産独自の15の1モーター2クラッチのFFハイブリッドとなる見込み。

 気になる燃費だが、カムリHVの23.4km/Lを超えるのは間違いない。アコードHVの30.0km/Lに迫るのか見ものだ。

■日産 アルティマ2.5(ティアナ)主要諸元

・全長:4864mm
・全幅:1829mm
・全高:1470mm
・ホイールベース:2776mm
・車両重量:1410kg
・エンジン:2.5L 直4
・最高出力:182ps/6000rpm
・最大トルク:24.9kgm/4000rpm

(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)

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