車両の維持費をコミコミで、毎月定額の利用料を支払うことでクルマを利用できるトヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」。そのKINTOが新たにAR(拡張現実)を使ったクルマの機能案内をはじめ、契約情報をもとに一人ひとりに合わせた機能のリストの無料での提供を始めた!? 新サービスを実際に体験したので報告したい。
※本稿は2024年7月のものです
文:ベストカー編集部/写真:トヨタ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年8月10日号
■ARを使った先進的な機能説明サービス
KINTOが若年層に実施した調査では、「自身のクルマに付いているスイッチの用途や使い方を充分に理解している」と回答した人は25%しかいなかったという。
こうした現状を踏まえてKINTOが2つの新サービスを開始した。ひとつはARでクルマの機能を案内する機能「これなにガイド」だ。
クルマ初心者に向けて、クルマに搭載されている各種機能をスムーズに使えるようにと、AR(拡張現実)でクルマの機能を説明するものだ。
実際にARを使い、スイッチの機能解説を見てみる。
ハンドル右側に配置されているスイッチにスマホをかざすと、画面内のハンドルに示されたのは、上から「運転支援する機能を操作」、「先行車の一定の車間距離での走行を支援する機能」、「オーディオの各種切り替えができる」、「オーディオのソースの変更ができる」。
それぞれ確認したい場所をタップすれば、機能の解説文が読める(動画による解説もあり)。
対象車は、2023年1月から発売されているプリウスのZ(PHEV)、G、Uの各グレードで、サブスクサービスのみならず、購入など、車両の利用方法を問わず使うことができるという。
ふたつ目は、契約情報をもとに、一人ひとりに合わせた機能の一覧リストの提供。
これはメーカーオプションや「KINTO Unlimited」を通じてアップデートしていく機能と、契約情報とアプリを紐づけた個々の情報を一覧にしたパーソナライズリスト、「My list」が提供される。
リスト化される機能としては、プリクラッシュセーフティ、緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)、レーンチェンジアシスト、レーダークルーズコントロール、パノラミックビューモニター、トヨタチームメイト(アドバンストパーク)など合計33機能におよぶ。
対象車はサブスク専用のUグレード(プリウス)のみ。
ちなみに諸費用をコミコミにして、ソフトウェアアップグレード、ハードウェアアップグレード、コネクティッドドライブトレーナー、コネクティッドカーケアという4つの新サービスを契約すると、月額利用料は3年契約でボーナス併用なしの場合は月々5万1040円、5年契約の場合は月々4万7520円となる。
さらにプリウス、ヤリス、ヤリスクロスのUグレードを対象に提供している「コネクティッドドライブトレーナー」に新機能を追加したほか、プリウスのUグレードを対象に提供しているアップグレードサービスの新アイテムとして「デジタルキー」を追加した。
デジタルキーは、スマートフォンアプリでドアのロック/アンロック操作やエンジンの始動などを可能にする機能で、プリウスではこれまでZグレードにのみメーカーオプションとして設定されていたが、今回からUグレードの納車後にアップグレードできるようになった。
デジタルキーは月額にプラス2090円、アドバンストパークは月額プラス2640円、パノラミックビューモニターは月額プラス3410円となっている。
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●クルマのサブスク「KINTO」とは?
新車を購入する際、車両代金だけなく、頭金や税金、諸費用、任意保険などがかかってくるのはご存知のとおり。これらの付帯費用を含め、毎月定額の利用料金を支払い、クルマを利用するサービスが、クルマのサブスクリプションサービス(通称サブスク)だ。
トヨタのサブスクである「KINTO」は、サブスクサービスの見積りから契約までの一連の手続きをウェブサイトで完結する仕組みを構築してきた。
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