自動車に置いて衝撃を受けるのは何も性能に限った話ではない。例えば今年登場のアイオニック5 Nは、BEVなのにまるでガソリン車のような走りが楽しめたりとインパクトがあった。今回は、そのようなクルマを世界からランキング形式で集めて紹介していこう。

※本稿は2024年7月のものです
文:松田秀士/写真:三菱、日産、トヨタ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年8月26日号

■押しの強さは外国勢が一歩リード

ボクシング(インパクト)金メダルはマクラーレン 750S。4WDが当たり前のスーパースポーツだが、あえて不安定な後輪駆動で挑んだのが750S。その進化具合には思わずうならされる

 720Sの後継モデル。その進化は素晴らしいのひと言。この手のスーパースポーツには4WDが多いが750Sは後輪駆動の2WD。にもかかわらず抜群のリア安定性でコーナリング。最新コースの曲川クラブで試乗したが、250km/hレベルの高速フルブレーキングも安定していて空力の高さを感じさせる。

 アイオニック5Nは「BEVってこんなこともできちゃうの?」と驚かされる。前後2モーターの4WDだが、この前後駆動バランスを瞬時に0〜100%に変更できる。つまりFFにもRRにもなるわけ。

 短時間だがフルブースト加速機能はのけ反る。知らされなければICEと勘違いするほどアクセルワークと連携したエンジン音のフェイク。こんなBEVは初めてだ。

 トライトンのエクステリアデザインは力強さ+ファッションセンスが融合したカッコよさが魅力。

 トライトンの4WDシステムは本格的なもの。2駆モードは後輪駆動でフルタイム4WDモード、センターデフ直結モード、+ローギアモード、オートモードと、実際に四駆コースを走ったけれどもオフローダーとしての本格派の性能で、アジア圏で人気なのも頷ける。

 アバルト 500eは、あほちゃう!? と笑い転げるほど楽しい。このパーソナルな世界にBEVを持ち込んだことで、コックピットという閉鎖された空間で煩悩を爆発させられる。

 スカイラインNISMOは400Rで充分と思っていたら、NISMOに乗った瞬間に「これだよね!」リアのグリップとしなやかなサスの動きをレスポンシブルなツインターボエンジンで操る。病み付きになる。

 クラウンスポーツはPHEVの理想形。ICEと電動のコラボを、両者のいいとこ取りで素晴らしい性能にまとめ上げている。

●ボクシング(インパクト)
・金メダル:マクラーレン 750S
・銀メダル:ヒョンデ アイオニック5 N
・銅メダル:三菱 トライトン
・4位:アバルト 500e
・5位:日産 スカイラインNISMO
・6位:トヨタ クラウンスポーツ

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