「スピーカー交換」に関心を抱くドライバーは少なくないに違いない。しかし、実行に移すドライバーはひと握りだ。何を選ぶべきか、費用はどれくらいかかるのか等々、不安要素が多々あるからだろう。当連載では、それら不安材料の解消を目指して展開している。

◆状況によっては、ツイーターの追加が大きな効果を発揮する!?

さて前回の記事では、純正スピーカーには多くを期待できないことを説明した。対して市販スピーカーは、エントリー機であっても純正スピーカーと比べて高性能だ。なので交換すれば音の質がガラリと変わる。

だが「スピーカー交換」には手間とコストがある程度かかる。ゆえに「もっと簡単に音を良くする方法はないものか……」、そう思っているドライバーも少なくないはずだ。

今回は、そんな風に思っているドライバーに向けた提案を示そうと思う。その提案とは、「ツイーターの追加または交換」だ。

実は、この作戦はあなどれない。場合によってはかなりの効果を発揮する。それは、「ドアスピーカーがフルレンジタイプの場合」だ。昨今は、純正スピーカーがセパレート2ウェイであるケースが増えてはいるが、「ツイーター」が装備されていない車種もある。そうであるとツイーターの追加は大アリだ。

チューンアップツイーターの一例(カロッツェリア・TS-T740)。

◆ツイーターを追加すると、ボーカルや楽器の“音色”が一気に良化!

ところで音楽の主要パートは、中音域に集中している。なのでツイーターがなくてもボーカルや主要楽器の演奏は再現できる。ならツイーターがなくても大丈夫なのかというと、そうはならない。

なぜならばツイーターからは、ボーカルや主要楽器の「倍音成分」が鳴らされるからだ。なお「倍音」とは、各楽器の“音色”を決める成分だ。なので倍音が適正に鳴らされると、響きが豊かになる。というわけでツイーターが存在しなかったところにこれを足すと、音楽の魅力が相当に増す。

また純正スピーカーがセパレート2ウェイであっても、ツイーターの追加は一定の効果を発揮する。市販のツイーターは純正品と比べて高性能なので、純正のツイーターがそのまま鳴っている状態でも倍音の出方が向上し、音が良くなる。

チューンアップツイーターの一例(カロッツェリア・_TS-T440AS)。

◆ツイーターをダッシュボードの上に置くことで、得られる情報量がアップする!

さらにいうと、純正ツイーターがダッシュボードに埋め込まれている場合、市販ツイーターをダッシュボードの上にポンと置くと、ツイーターから得られる情報量がアップする。実は高音は、真っ直ぐに進もうとする性質が強い。なのでリスナーに直向けする方が音が良くなる場合が多い。

ところで、最新のクルマの中にはダッシュボードの中にツイーターではなく「ミッドレンジ」が埋め込まれていることもある。そしてそのスピーカーから緊急通報システムのオペレーターの音声が流れるようになっていることがある。そうであると、それをツイーターへと交換してしまうとオペレーターの音声が聴き取れなくなる。このようなケースがあることは、頭の中に入れておきたい。

なおそのあたりは、専門店にて相談すれば的確なアドバイスをもらえるはずだ。愛車ではこの作戦が有効なのか否かは、まずはプロショップにて確認しよう。

今回は以上だ。次回も初めての「スピーカー交換」に関するあれこれを解説していく。お楽しみに。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。