2024年4月2日、2023年 SUPER GT GT300クラスチャンピオンである川合考汰選手が監督を務めるレーシングチーム「ハイスピードエトワールレーシング」が発表会を行った。前田琴未と清水愛という2名の新人女性ドライバーを起用したこのチームは、アニメーション作品とのコラボレーションも予定されている。KYOJO CUPや日本電気自動車レースに参戦予定とのことだ。
文/写真:西川昇吾
■モータースポーツをより身近に
ハイスピードエトワールレーシングは株式会社プラチナムファクトリーが発足したレーシングチームだ。今シーズンは富士スピードウェイで行われている女性ドライバーだけのカテゴリー「KYOJO CUP」を始め、富士チャンピオンレースシリーズのFCR VITAや全日本電気自動車GPに参戦する予定だ。
代表の中川隆太郎氏は「アニメーションとのコラボレーションもあるので、キャラクターとドライバーが一緒に成長できるような形にしていきたい」と語っていた。
また、4月5日から放映されるアニメ「ハイスピードエトワール」のプロデューサーである佐々木ゆうろ氏と木梨美涼氏も登壇、アニメについては「モータースポーツを知らないライトな層にも楽しんでもらえる作品を目指した。
TVアニメという分かりやすいエンタメでモータースポーツファンを増やし、最終的に現地で観戦するファンを増やしたい」とのことだ。
また、今回のコラボレーションについて木梨プロデューサーは「女性ドライバーの活躍の場を造りたい、そしてモータースポーツをより身近なものにしたいという考えやコンセプトは、我々と非常に近いものがある」と経緯を語っていた。
作品作りに向けて行ったロケハンや取材を通して佐々木プロデューサーはすっかりとモータースポーツファンになったよう。
「実は自身は免許を持っていないんです。そんな人でもモータースポーツが魅力的に思える作品を目指しました。取材を通じてモータースポーツは最高のエンターテイメントだと思いましたし、免許を取りたくてしかたなくなっているんです!」とすっかりモータースポーツの虜になっている様子も見られた。
■川合考汰総監督の想い
そしてこの発表会で終始伝わってきたのが、川合監督のこのプロジェクトに対する思いだ。実は川合監督も自身がレーシングドライバーになるにあたり、アニメ化もされた漫画「カペタ」にとても影響を受けたとのこと。そのような背景もあり、今回監督として携われるのはとても嬉しいと語っていた。
また川合監督は決して裕福な家庭で育った訳ではなかった。そのような状況の中でもモータースポーツに挑み、レースが好きという思いでレーシングドライバーを続け、GT300チャンピオンという栄光を手にするところまで上り詰めた。
そういった経験から「家が裕福でカートを早い時期にできたとか、そういったお金でふるいにかけられることなく、裕福でなくてもトライすることができて、ステップアップすることができる。そんな形を見せてモータースポーツがより盛り上がることに力添えしたいんです」と語っていた。
そんな川合監督の想いからか、オーディションで選ばれた前田琴未と清水愛という2名のドライバーはモータースポーツ経験がない新人ドライバーだ。自身のマイカーでのサーキット走行経験はあるが、本格的なレース経験はない。
この2名を選んだ理由を川合監督に聞くとドライビングスキルもそうだが、自身の目標やビジョン、考えなどがしっかりとしていて明確に伝えることができていたのも大きいとのことだ。まだまだ練習中と聞いたが、この2名のドライバーの成長も注目だ。
ハイスピードエトワールの放送は4月5日からスタートする。そしてハイスピードエトワールレーシングはまず4月27日に筑波サーキットでの全日本電気自動車GPに参戦する。富士チャンピオンレースの開幕は5月11日、KYOJO CUPの開幕戦は5月12日だ。
アニメーションとレーシングチームのコラボレーションがどのような化学反応を起こすかに注目だ。
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