毎年、秋に開催される大阪のコンテストといえば、「まいど大阪 秋の車音祭」だ。11月3日、南港ATCピロティ広場には近畿だけでなく、遠方からカーオーディオを愛好するユーザーが来場。昨年を上回る123台が集結した。

同イベントは2004年の秋、第1回が行われ、今年で21回目を迎える。主催は地元大阪府下の専門ショップ(オートステーションK2、AVカンサイ、イースト、カーオーディオクラブ)4社のオーナーが中心となり、全国の有力店のサポートほか、メーカー、輸入代理店の後援もあり、コンテストのビッグイベントとして認知されるようになる。

話題のコンテストが今年も開催!『まいど大阪 秋の車音祭2024』注目車レビュー Part1

クラスなどの概略を些少ながら説明しておこう。主なサウンドコンテストのエントリー仕分けは次の通りでエキスパートクラス、評論家クラス、Aクラス/車両システム金額=250万円以上。Bクラス/車両システム金額=150万円から250万円未満。Cクラス/車両システム金額=150万円未満。ほか1st(ファースト)クラスを3つ設定され、1stAクラス/システム金額=250万円以上の初参加車両。1stBクラス/システム金額=150万円以上250万円未満の初参加車両。1stCクラス/システム金額=150万円未満の初参加車両。

審査員はホームオーディオ、プロオーディオの分野で名を馳せる6名の先生ほかプロショップの代表もジャッジを勤め、採点を行う。あとコンテスト前に課題曲が発表されるので、曲の特徴を考察しつつ十分なクオリティで再生することに努めてほしい。

◆オーディオシステムの音質は、製品購入、ただ取り付けました...では決まらない

話題のコンテストが今年も開催!『まいど大阪 秋の車音祭2024』注目車レビュー Part1

なぜ、カーオーディオのサウンドコンテストが全国で開催されているのか? これからカーオーオーディオを購入するユーザーにとっては未知の領域かもしれない。現状、聴く環境を考えてみよう。

車内は家の部屋で聴く環境と比べ、ウイーク(弱点)が多く、カーオーディオをただ取り付けだけでは、十分なクオリティが得られないということを知るべきだ。良い音を引き出すためには確実な取り付けはもちろん、技術的な工夫と音調整が必須で、要所ポイントを押さえることでシステム全体のクオリティが向上する。システムの出来具合いを客観的にチェックするには専門家の一声、アドバイスが大きな収穫になることが多い。高みを目指すこと! 

それはインストーラーの腕の見せ所であることは事実。最後に、もしコンテスト未経験なら一度はエントリーしてほしい。会場では新たな発見や、審査員からのアドバイス、同じ価値観のあるユーザーと友達になれる機会も多い。まずはショップ担当者に相談してみよう。

●スズキ エブリイ(オーナー/山本登さん)by カーオーディオクラブ

スズキ エブリイ(オーナー/山本 登さん)by カーオーディオクラブ

カーオーディオ歴20年「コツコツとシステムアップをして今のシステムとなりました」と語ってくれたスズキ『エブリイ』のオーナー山本さん。

スピーカーはブラックスのマトリックスで先日、ミッドレンジ(ML3スコーカー)を購入する。フロント3ウェイとなり中音域が充実したことで情報量が一段とアップ。ドライブするパワーアンプはブラックス・GX2400だ。サブウーファーはカロッツェリア・TS-W1000RS(25cm)で適正エンクロージャーに収めてリアラゲッジにセット。デジタルオーディオプレーヤーはアイバッソ・DX300でデジタル出力信号はヘリックスのDSPにつながる。よく聴くジャンルはホップスが中心のようでApple musicから音源を取り入れたりしているという。マトリックススピーカーの再生能力は高く、Eベースの最低音42Hzからリニアに伸びる超高域までワイドレンジを達成。インストール面では適正なデッドニング処理を行っている。

●レクサス NX-450h(オーナー/吉田剛さん)by マリノサウンド

トヨタ レクサスNX-450h(オーナー/吉田 剛さん)by マリノサウンド

レクサス『NX-450h』にお乗りの吉田さんは以前、ショップ主催のイベントでメーカーデモカーを聴く機会があり、音質の良さ驚いたそうだ。車内でいい音で聴きたいという思いから幾度もプロショップに足を運んだという。

システムは最上級グレードのコンポーネントでまとめ、スピーカーはモレルで統一。スプリーモピッコロ2、38LEミッドレンジ、スプリーモMW6、リアドアにヴィルタスMW6。そしてサブウーファーはウルティモ104Tiをリアラゲッジ床下にビルトイン。再生プレーヤーはアウネ(aune)をGT3ほか、GTDC1/デジタルプリアンプ経由後、リゾルト・M-DSPにつながる。アクセサリー類ではサウンドサスペンション、M&Mデザインのケーブルほか、電源キャパシターを投入。アコースティック楽器の繊細な響き、ダイナミックな場面でも輪郭をしっかりと描き出す。

●ダイハツ テリオスキッド(オーナー/堀田雅雄さん)by M.E.I.

ダイハツ テリオスキッド(オーナー/堀田雅雄さん)by M.E.I.

各地のコンテストや同コンペの常連メンバーであるダイハツ『テリオスキッド』のオーナー堀田さん。

システムの中で特徴的なところは、高品位なパーツを使ったワンオフ仕様のパッシブネットワークの投入ほか、スピーカーユニットの取り付け方にも工夫が多々盛り込まれているモレル製でまとめたフロント4ウェイ+サブウファー構成だ。パワーアンプはARCオーディオの限定品を選んで精緻にドライブ。一方、再生プレーヤーは、アウネ(aune)メディアプレーヤーGTS 3ほか、クロックジェネレーターGTC1、デジタルプリアンプGTDC1を導入。これらの機器信号はリゾルト・M-DSPにつながる。パッシブネットワークの特徴であるナチュラルな趣きと、先進のデジタル機器の融合により音源情報をしっかりと引き出している。

音質は鮮明かつ艶やか。力感も申し分ない。

●レクサス LS460(オーナー/高橋伸明さん)by アミューズ

トヨタ レクサス LS-460(オーナー/高橋伸明さん)by アミューズ

広島から来られた高橋さんは長年、音創りに余念がないカーオーディオフリーク。レクサス『LS460』のシステムを拝見するとこだわりのモノ選びに対する探究心が伝わってくる。

フロントスピーカーはムンドルフのリボンツイーターとベンチャーオーディオのワイドレンジツイーターを含む3ウェイ構成で駆動するパワーアンプは、ヘリックス(アンプ内蔵型DSP)P SIX DSPを使用。ほか秀逸なアクセサリーを選んでシャープな方向へと改善。たとえば電源強化(キャパシターの導入)、ノイズ処理(フィルター系)、アース強化(仮装アース)、接続するケーブル選びも大切だ。調整ではP SIX DSPのアライメント等の各機能を緻密に行い、かつ帯域バランスを整えて実在的なステージを前方ウインドウに創出。

音質は超高域をスポイルすることなく繊細かつ滑らかで総じてナチュラルで心地のよいもの。

●トヨタ RAV4 (オーナー/綿邊香津美さん) by ウェイブ トゥ ポート

トヨタ RAV4 (オーナー/綿邊香津美さん) by ウェイブ トゥ ポート

昨年、トヨタ『RAV4』を購入した綿邊さんは、純正オーディオの音に不満がありプロショップを訪ね、ハイファイシステムをリクエスト。数あるスピーカーの中からBLAMを選んだ。通勤時にJ POPやメタル系の楽曲をよく聴くという。

システム中で目に止まったのが今、話題のオットキャストをセット。純正(ディスプレイオーディオ)との接続によりYouTubeなどの動画再生ほか音楽ストリーミングも可能としている。 デジタルシグナルプロセッサーはBLAX DSPでパワーアンプはクワトロリゴ・へリテージ2、 ARC オーディオ・KS 300.2などのユニットはリアラゲッジ床下の収納スペースを利用しスマートに纏める。プロインストーラーが手がけるマルチ3ウェイ+サブウーファー構成の実力はハイレゾ音源の特徴であるワイドレンジ&ダイナミックな音源を十分に引き出していて、もちろんコンペの課題曲を端正に鳴らす。繊細であり、時として力強いサウンドを放ち、ご満悦のよう。

●ダイハツ コペン(オーナー/竹田昌史さん)by イースト

ダイハツ コペン(オーナー/竹田昌史さん)by イースト

ダイハツ『コペン』のオーナー竹田さんはCクラスにエントリー。長年、ドレスアップ、走り、そしてカーオーディオと拘りを持って楽しんでいるようで3年前、ホンダ『CR-Z』からコペンに乗り換えを機にシステムを刷新。

軽スポーツカーという性格上、限られた空間であるが好きなJPOPをいい音で聴きたいという思いから、プレーヤー機能を装備する8chアンプ内蔵型DSP、コールドホルン・A5Proを搭載。一方、スピーカーはマイクロプレシジョン5シリーズ(5.16セパレート2ウェイシステム)をセレクト。あと最低域を補うため、カロッツェリアのパワードサブウーファー(小型のもの)を左右1つづダッシュ奥に装着。コールドホルン・A5Proにある音源ファイルはナビと連結されており曲名/アーティスト名が表示されるので視認性、使い勝手がよく、車の機能をスポイルしないシステムが出来上がる。

●トヨタ アルファード(オーナー/鈴木元秀さん)by レジェーラ

トヨタ アルファード(オーナー/鈴木元秀さん)by レジェーラ

念願のトヨタ『アルファード』を昨年購入した鈴木さん。ハイクラスなコンポーネントを導入して高音質と高音場再生を実現。通勤時、好きなJ-POPほかクラシックも聴くという。

スピーカーはカロッツェリアでまとめていてTS-Z1000RSとTS-S1000RSとの3ウェイ構成にTS-W1000RSサブウーファーを一発搭載。リア床下のクリアランスを有効に使いカロッェリア・RS-A09X/RS-A99X、ほかクワトロリゴ・プレシジョンONEパワーアンプをセット。一方、送り出しはハイレゾ対応のオーディオプレーヤー機能を備えるザプコ・HDSP-Z16V AD8Aとデジタルオーディオプレーヤーほかアイバッソ・DX300MAXのコンビにより多様なファイル再生を可能にしている。システムのお気に入りのところを尋ねるとツイーターとスコーカーのレイアウト/位置関係が秀逸で左右幅を活かしたステレオイメージの創出とリアル感が味わえるという。ミニバンの利便性と損なうことなく、スマートにシステム化したところも素敵だ。

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