家族や仲間とドライブに出かけた後は、次のお出かけまでに各部のクリーニングを施しておこう。中でもついつい忘れがちなのがシートのクリーニング、快適ドライブのキーワードなので要注目だ。
◆汚れやすいところ
洗車と合わせて内装のクリーニングを実施する際、注意したいのがシートだ。フロアマットの清掃や車内の掃除機かけまでは定番として実施していても、シートクリーニングまでは実施していないというユーザーも多いのでは無いだろうか? しかしシートは常に乗員が触れている場所であり、汚れが付着しやすいところでもあるのだ。布生地に汚れが染みついてしまうと臭いの原因にもなるので定期的なクリーニングを実施しておきたいところ。
ただし、もともとクルマのシートに用いられる生地は汚れが付きにくく臭いも出にくい高機能な素材を使っている。そのため、少しの使用では、衣服に用いられている布生地のように汚れや臭いがすぐに発生することは少ないのは事実。しかし、外気に触れる点や外からのほこりや汚れを持ち込んでしまう点など、クルマの内装はかなり過酷な条件と言えるだろう。それだけに汚れを堆積させない定期メンテナンスが重要になるのだ。表面上はあまり汚れが目立たなくても、クリーニングしてみて「こんなに汚れていたの!」とびっくりすることにもなりかねないので実践してみよう。
そもそもシートには車外で乗員の衣服に付着した汚れや花粉を持ち込んだり、車内で食べたり飲んだりした飲食物の汚れが徐々に堆積している。真っ白な生地であればすぐに目立ってしまうような条件の悪い環境なのだが、ほとんどのクルマにはグレーやブラウンなど、汚れが目立ちにくい色や柄を使っているので、汚れを端的に感じることは少ないだろう。さらにそれらの汚れからは少なからず臭いが発せられることになる。しかし、この臭いもいわゆる生活臭となり、愛車であれば慣れてしまって感じにくくなるもの。ただし普段は乗らない知人や親戚などを乗せると臭いを感じてしまうことがあることも知っておこう。
◆洗濯機で洗えない、水を掛けることもできない
そこでファブリックシート(ここでは布生地を用いたファブリックシートを対象にした、レザーシートは個別の洗浄方法があるので要注意)のクリーニングを実践してみよう。布製品とはいえ、衣類のように洗濯機で洗えるわけではないのが厄介なところ。しかも車内に水を掛けてゴシゴシ洗うわけにもいかない(洗車のプロフェッショナルにオーダーすると水洗いするメニューもある)。そこでユーザーレベルのDIYでできる生地部分のクリーニングはどのようにすれば良いのだろう?
◆専用のクリーナーがある
布生地部分の洗浄なので家庭用の洗剤で代用できると思っているユーザーもいるかも知れないが、用意したいのはクルマの布シート用に開発された専用のクリーナーだ。特徴は水を使う洗剤ではなく、泡やミストなどで洗浄剤を直接シートの汚れた部分に噴霧する点。そのためシートをびっしょりと濡らすことなく汚れをピンポイントでスピーディに除去することができる。洗浄した部分の乾燥も早いため、内装の乾燥に時間を掛ける必要も無く、内装クリーニングの難易度も一気に下げることができる。
クルマ用に用意されている布シート系のクリーナーは使いか方もごく簡単だ。座面やシートの隅っこなど、汚れている部分を中心に噴霧してブラシでこするという手順で作業を進める。全体を一気に処理するのではなく部分的に汚れを落とす感覚で作業を始めると手軽に清掃できるだろう。実際に座面やシートバック、ヘッドレストなど、汚れが体積していそうな部分を重点的にクリーナーを噴霧してブラッシングする。するとブラシでこすったところだけ本来のシート色が蘇ってくることもあり“洗った感”も満点。この状態を見るとシートは想像以上に汚れていたことを実感するだろう。仕上げは乾いたきれいな布で拭き上げれば完成だ。
◆定期的にクリーニングを
定期的にシートや布パーツのクリーニングを実施すれば内装のくすみや嫌な臭いの発生も抑えられる。特に子供達を乗せてのファミリードライブで車内が汚れを感じたら、早めにクリーニングしておくのがオススメ。消臭や除菌の効果を備えたクリーナーも用意されているので、布クリーナーを選ぶ際にはちょっとこだわってみても良いだろう。次回からは洗車のタイミングに布シートのクリーニングもメニューに加えて定期メンテナンスを実施してみよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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