アライグマによる被害が兵庫県内で多発。状況を打開しようと、神戸市が始めた秘策を取材した。
【動画】「アライグマ被害」多発 収穫シーズンのイチゴが食い荒らされる 秘策は『ラジコン草刈り機』
■農家は悲鳴「ブランドいちご」が被害に…犯人はアライグマ
この記事の画像(7枚)神戸を代表するブランドいちご「二郎いちご」収穫シーズン真っ只中だが、いま深刻な状況にさらされている。大切に育てた商品を無残な姿にした犯人はアライグマだ。
福井苺園 福井岳史さん:ヘタだけ残っていてひどい時で(1日に)10個から20個くらい被害受けていました。これでウチらは生活しているので、そのいちごが食べられるのは困りますね。
いま、アライグマは全国的に増え続け、神戸市でも2年連続、捕獲した数が過去最多を更新。増え続ける背景には周辺の環境が関係していると専門家は指摘する。
兵庫県森林動物研究センター 栗山武夫主任研究員:アライグマはいろんな環境に順応・適応できている哺乳類の一種で、昼間隠れられるところが隣にあれば、そこに隠れて、夜な夜な隣のいちごに行って、朝になったらまた隠れるみたいな生活ができるので。
アライグマの「日中の隠れ家」の1つとなっているのが、使われずに放置された「遊休農地」。つまり遊休農地を減らすことが、アライグマによる被害を抑えることにつながるのだ。
■救世主となるか…「ラジコン草刈り機」
そこで、神戸市が取り入れた秘策が、誰でも簡単に草刈りができる「ラジコン」だ。
神戸農政公社里山農村地域振興本部 末松勢二課長:アライグマの巣になったりとか、そのへんを駆除するためにはこういう耕作地はできるだけ刈って管理が必要になってきますので。
「遊休農地をどうにかしたいが、農業経験がない」などの声を受け、神戸市では5月からラジオコントロールできる草刈り機の貸し出しを始めた。
取材した日、ラジコン草刈り機を借りた山本さんも、農業経験が浅く、約5年間、相続した農地をそのままにしていた。
山本恵美さん:これを押すと…右と左があんまりコントローラー触ったことないんでわからない。バック、やりすぎ、待って待って。
たった1時間で約600平方メートルに生い茂っていた草がスッキリ。
山本恵美さん:はやい!慣れると割と気持ちいいです。キレイにしてくれるから。管理だけはしておいた方がいいかなと思って草の管理は。でないと、また近所にもご迷惑おかけするし。
今後、ラジオコントロールの草刈り機がアライグマ被害を防ぐ救世主となるかもしれない。
(関西テレビ「newsランナー」2024年6月6日放送)
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