野党から「ザル法」と批判された政治資金規正法の改正案が衆議院を通過し、7日に参議院で審議入りします。岸田文雄総理大臣に党内から不満が噴出する一方で、“岸田おろし”は起きない奇妙な事態になっています。
■「自民党に反省ない」野党批判も…
「全米さくらの女王」が表敬訪問 この記事の写真来日した「全米さくらの女王」の表敬訪問を受け、笑顔を見せる岸田総理。一方、野党は…。
立憲民主党 泉健太代表 立憲民主党 泉健太代表「自民の修正案では政治改革不合格ですね。話になりません」 国民民主党 玉木雄一郎代表 国民民主党 玉木雄一郎代表
「自民党に全く反省がないということですね。ザル法です。ザルに申し訳ない。ザルの方がもっと物をすくえますから」 議場に岸田総理の姿なし
6日、自民党・公明党・日本維新の会などが賛成し、衆議院を通過した政治資金規正法の改正案。採決の1時間前、議場に岸田総理の姿はありませんでした。
立憲民主党 西村智奈美代表代行 立憲民主党 西村智奈美代表代行「岸田総理、どちらにいらっしゃるのでしょうか。裏金問題が発覚した当時、『火の玉になって国民の信頼を回復する』と高らかに宣言をされた、岸田総理が今この議場に姿が見えないようであります」
ようやく姿を見せたのは採決の直前でした。
岸田文雄総理大臣 岸田総理「参議院での審議はこれからです。引き続き緊張感を持って取り組んでいかなければならないと思っています」
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■岸田総理 麻生氏&茂木氏と「決別も」■岸田総理 麻生氏&茂木氏と「決別も」
政治資金規正法の改正案改正案はパーティー券購入者の公開基準を「5万円超」に引き下げ、政策活動費の使い道を10年後に全面公開するなど、公明と維新の主張を丸のみする形となった岸田総理。ところが、今後の法案成立と引き換えに、ある代償を払うことになると専門家は指摘します。
ジャーナリスト 白鴎大学名誉教授 後藤謙次氏 ジャーナリスト 白鴎大学名誉教授後藤謙次氏
「岸田内閣を支えてきた自民党の中軸に相談なしにやったことで、この2人との間に決定的な亀裂が生まれた」 麻生太郎副総裁(右)と茂木敏充幹事長(左)
2人とは、麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長。公明と維新に譲歩する案に、反対の立場だったといいます。
後藤氏、麻生氏&茂木氏と「決別も」 後藤氏「岸田総理がここで改正案の成立がなければ、政権が終わりに近づく。だから、自・公・維新この合意をとるか、あるいは麻生(副総裁)・茂木(幹事長)を切り捨てるか。その選択の中で、そちら(麻生氏・茂木氏)との決別は構わないと判断して、岸田総理は勝負に出た」 党内から“不満の声”
しかし、党内からは決定の過程で総理と意思疎通ができないと不満の声が上がっています。
自民党・横浜市支部連合会 佐藤茂会長「総理自ら責任を取り、身を引くよう苦渋の決断をしていただきたい」と発言したのは、自民党・横浜市支部連合会の佐藤茂会長です。
佐藤会長「次に選挙があったとするならば、極めて厳しい状況。地方の自民党の会長として、地域の党員の声を踏まえて総裁にものを申した」
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■今後“岸田おろし”は起きるのか?■今後“岸田おろし”は起きるのか?
菅義偉前総理、萩生田前政調会長らと会合さらに、気になる動きもありました。
自民党の菅義偉前総理は採決後、都内の飲食店で萩生田光一前政調会長、加藤勝信元官房長官、武田良太元総務大臣、小泉進次郎元環境大臣と会合を開きました。いずれも菅政権で閣僚を務めたメンバーです。
後藤氏「デモンストレーション」 後藤氏「やっぱり、次の秋(9月)の総裁選をにらんでね、我々の存在を忘れてもらったら困るよというデモンストレーション。総裁選の中での影響力の行使によって、主流派入りをうかがうというところなんじゃないですかね」
党内力学に地殻変動をもたらした今回のドタバタ劇。今後“岸田おろし”は起きるのでしょうか?
後藤氏「起きないと思う」 後藤氏「(“岸田おろし”は)起きないと思う。誰がなろうと、今の状況でとても解散なんかできないから。初めての総理じゃないですか。解散をしないということで、安定感が出ているというのは、こんな人いないよね」
(「グッド!モーニング」2024年6月7日放送分より)
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