2024年5月に6歳になった視覚に障害がある女の子・かなちゃん。同じように視覚障害があるお父さんと健常者のお母さんの愛情を受け、日々成長するかなちゃんの歩みを見つめました。

元気に部屋を駆け回る女の子、かなちゃんは視覚に障害があります。
父・伸也さん(41)と母・聡子さん(43)と岩手県の中央部で暮らしています。

マッサージ師の伸也さんも視覚に障害があります。
健常者の聡子さんとの間に待望の子どもが誕生したのは、6年前の2018年のことでした。

母・聡子さん
「振り返ると、かわいい。でしたね」

かなちゃんは、生後まもなく視覚に障害があることが分かりました。

母・聡子さん
「薄々分かっていたけど目をそらしてきて。遺伝もあるかなと分かっていたつもりだったけど、案外覚悟できてなかったんだなというくらい、ショックでしたね」

母の聡子さんは、目のことを伸也さんには電話で伝えました。

母・聡子さん
「割と淡々としていたという感じですね。彼の方が覚悟ができていたというか」

5月に6歳になったかなちゃんは、動く範囲が日ごとに増え両親をひやひやさせています。

母・聡子さん
「腫れています。きのう出来たてほやほやのあざ」

父・伸也さん
「僕も色と光は分かるんですけど、僕よりもうちょっと分かっている感じはあるんですよ。同じ道をたどっていくんだろうなと。なるべく早く点字に親しんでもらえればと思う」

かなちゃんは週に3日、盛岡市の視覚支援学校の幼稚部に通っています。
年長のクラスはかなちゃん1人だけです。

先生
「かなちゃんの椅子どこだ?手を伸ばして探してみて」

かなちゃん(6歳)
「あった」

色々なものを手で触りながら、日常生活に必要な言葉を理解していきます。

いま、かなちゃんが父・伸也さんと一緒に取り組んでいることがあります。それはパソコンです。触った場所を音で知らせるソフトを使ってキーボードを打つ練習です。

「見えない」を「聞こえる」に変えると、目の前の世界が広がります。
伸也さんは文字を音声化するパソコンを使って、ニュースを読んだりメールのやり取りをしているそうです。

伸也さんは「自分のことはできるようになってもらって、色々なことをできるようになってくれればいい」と話します。

日々の困難に向き合うことで、より深まる親子の絆。
目に見えないそのつながりに支えられながら、かなちゃんは一日一日、成長しています。

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