厚生労働省が28日に発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.02ポイント低下し、1.24倍だった。低下は2カ月連続で、25カ月ぶりの低水準だった。
有効求人倍率は、全国のハローワークに登録している求職者1人あたり何件の求人があるかを示す。有効求職者数は前月比1.9%増の約207万人、有効求人数は同0.1%増の約236万人だった。
厚労省の担当者によると、慢性的な人手不足を背景に求人数はやや増えた一方、賃上げ機運の高まりを受け、より良い待遇を求めて転職を考える人が増加しているという。
企業の足元の採用意欲を示す新規求人数(原数値)は前年同月より0.6%減った。産業別では、製造業が7.4%減、建設業が3.4%減と大きく減った。原材料価格が高騰し、円安による輸入物価の上昇も重なって業績を圧迫しているという。1.8%減だった宿泊・飲食サービス業は、新型コロナ対策の緩和に伴う顧客の増加に対応するため、前年に求人を伸ばした反動が続いているという。
また、総務省が同日発表した5月の完全失業率(季節調整値)は2.6%で、3カ月連続の横ばいだった。(宮川純一)
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