東京都立足立西野球部の2年生5人が「第二の部室」として紹介してくれたのは、たい焼き店だった。その名も「たいやき117(いいな)」。
日暮里・舎人ライナー西新井大師西駅から歩いて9分。路地裏にたたずむ店内には、小倉あんやチョコ、カスタードなど定番のたい焼きが並ぶ。
大きさは横約14センチ×縦約8センチで、厚み4センチほど。一つ190~270円(税込み)で、現金払いは20円引き。チーズやマヨコーン、ハムが入ったいいな焼きは240円(同)だ。期間限定商品もあり、毎年7月には「冷やしたい焼き」が登場する。
定番のぱりぱりの生地と異なり、卵をふんだんに使ったふんわりと分厚い生地が最大の特徴だ。店長の三好勝大(かつひろ)さん(53)は「冷めてもおいしく食べられるように、工夫を凝らした」と話す。
足立西の生徒は自転車通学が多く、帰宅にかかる時間は20~30分程度。だが、2年生の野球部員、大村永遠(とわ)さん(17)は「部活終わりに家まで我慢できずに寄ってしまう。2つ買って、食べながら部活を振り返るのがお決まりコース」と話す。三好さんの長女愛奈さん(12)と少年野球チームが同じだったのをきっかけに、117を知ったという。
三好さんは、117を第二の部室とする2年生5人を「たい焼き部」と呼ぶ。「彼らが来店すると他部や他校の生徒も集まりだし、お店が繁盛する」とほおを緩ませる。
店は2017年、三好さんが妻との結婚記念日(1月17日)を店名としてオープンさせた。足立区に甲子園出場校がないことから、三好さんは「足立区から甲子園へ。爪痕を残してほしいです」と期待を寄せる。時間が合えば、こっそりと応援に行くつもりだ。(中村英一郎)
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