9日の記録的な大雨の影響で道路が寸断され、出雲市大社町の日御碕地区は依然として孤立状態が続いています。住民が不安を募らせる中、TSKの取材班が11日、住民などに同行し、孤立状態が続く地区の現状を取材しました。

出雲市の中心街と大社町日御碕地区を結ぶ県道。海沿いの切り立った崖の上を通る県道は、9日の大雨で地盤が崩落。車の通行ができなくなり、宿泊施設の観光客が一時孤立、住民も「孤立」状態が続いています。

現場では、近くの私有地の通行許可を取って迂回ルートが確保され、徒歩での行き来はできるようになっています。そのルートを使って、孤立地区に入っているのが県の医療支援チーム。県は10日に続いて、医師と看護師など4人のDMATを派遣、高齢者が多い住民の健康をケアしています。

TSK取材班も11日、地区の住民に同行して孤立地区に入りました。

宍道正五記者:
観光客向けの土産物店が並ぶ場所ですが、全てシャッターが閉まっています。

約240世帯、約550人が暮らす日御碕地区。出雲日御碕灯台などもある県内有数の観光スポットです。しかし…。

カフェの店主:
夏休みにかけて観光客が増えてくる感じだったので残念です。

13日から3連休を迎えますが、食堂やみやげ物店などは休業を余儀なくされ、思わぬ災害に肩を落としています。また民宿でも…。

民宿の経営者:
とりあえず当分の間は休業です。予約はすべてキャンセルしました。この連休が一番多くて14~15名だった。

今月いっぱいの休業を決めました。海水浴シーズンに向け、すでに受けていた予約もキャンセルしました。

食料品や日用品を扱う商店では…。

従業員:
仕入れができなくて、冷蔵庫が全部空っぽ。お肉や豆腐などが全部なくなった。

生鮮食料品が無くなってきているおとといを最後に仕入れができなくなっていますが、早ければ12日に崩落現場近くまで商品を運んでもらい、歩いて店に運びこむということです。

地区のコミュニティセンターでは、パンや野菜などの食料品が到着、住民に配られました。出雲市内の小中学校が11日に臨時休校となったため、使われなくなった食材が、5キロほど離れた大社港から船で運ばれました。
コミュニティセンターではトイレットペーパーやガソリンなど生活必需品を届けるよう市に要望していますが、一番の希望は…。

日御碕コミュニティーセンター・園山暢男センター長:
先ずは片側でもいいので車が通れる道をお願いしたい。それが一番のみなさんの思いです。

県などは、できるだけ早く片側通行ができるよう復旧を目指していますが、その具体的な時期はまだめどが立っていません。

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