周りが暗くなってからの避難は危険が伴う。東京大学大学院の客員教授で防災行動や危機管理の専門家・松尾一郎さんに、今後の台風と私たちの行動に関する注意点を聞いた。
<大雨災害への警戒が必要>
松尾さんは「台風が遠いところにあっても、雨で河川が決壊氾濫したという東海豪雨の事例もある。ここは安心せずに、福島県の沖合を危険な台風が北上しているということをきちんと認識したうえで、より安全な対策を取る」と、台風の中心は福島県から離れていても、大雨による災害に警戒が必要だと話す。
その理由を「福島にとってみれば、一日で150ミリというのは、阿武隈川本流はそれほど厳しくないかもしれないが、県が管理する中小河川ではそれなりに水位は上がる。海面水位が上がると川の水がはけなくなる」と話した。
<垂直避難も選択肢に>
一方、これからの暗くなる時間帯に無理な避難をすることは、それ自体がトラブルを引き起こすおそれもある。松尾さんは「少なくとも、雨風が強い時に車を使ってというのはもっと危険。暗いうちの避難というのは、ますます二次災害含めてあるわけですからご自宅の二階へ。土砂災害が発生して影響があるところがあるとすれば、その反対側の二階。より安全な所はどこかということを、今いる場所の中から考えて頂いて、そこに一時的に滞在していただく」と語った。
今回は就寝中に災害発生のリスクがある。松尾さんの話にあったように、家の上の階への「垂直避難」も含めて、川沿いや崖近くに住んでいる人は、命を守る選択をしてほしい。
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