大人気の直売所でどんな人が何を買って、どう食べているのか、1日張り込み調査をする「道民リアルめし調査隊」。今回は札幌市豊平区にある農業専門学校八紘学園で学生たちの学食、大人気ソフトクリームの製造現場まで、札幌ドーム12個分の広大な敷地を走り回ってリアルめしを探しました。
食事は学生寮の学食で
八紘学園は全寮制の学校。学生は3食、学生寮の食堂でご飯を食べています。
炊飯器に入っていたのは、牛乳。しぼりたての殺菌されていない牛乳を直接持ってきて食堂で飲んでいるんですって。
運んでくるのは寝坊の多い学生の罰当番なのだそう。
とれたて野菜が並ぶ直売所
学園で収穫した20種類以上の野菜が並ぶ人気の直売所。
白いナスはバター醤油焼きが最高。珍しい品種が多いのですが、レシピが書いてあるので、初めての野菜でも買いやすいんです。
トマトとズッキーニのチーズ焼き
直売所に勤めて19年の二本松さんが、この日一番人気だった完熟トマトを使った「トマトとズッキーニのチーズ焼き」のレシピを教えてくれました。
まず、トマトとズッキーニをひと口大に切って炒め、トマトから水分が出たら、少し煮込んでコンソメと塩コショウで味付け。
耐熱容器に入れてオーブンでチーズに焦げ目がつくまで焼いたらできあがり。
二本松さんはコンソメの代わりにタマネギスープを使います。タマネギのうま味でおいしくできるのだそう。
直売所の代表を務める山口さん。いろいろな品種を食べ比べてきた中でイチオシは「サクサク王子」というインゲン。
ニンニクをきかせてオリーブオイルで炒めるととってもおいしいんですって。
ソフトクリーム復活秘話
八紘学園といえば、1日多いときで2000個以上も売れるソフトクリームが大人気。学園内で搾乳し、加工するまで一貫して生産しているんです。
八紘学園で乳製品の製造を始めて2年目の大木さんは、ヨーグルトを使ったスープを作るそう。
公務員として働く素敵な奥様と1歳3ヶ月の男の子との3人暮らしです。家事は夫婦で分担していて、料理は大木さんの担当。
実は大人気のソフトクリームの製造担当者が2023年3月に退職し、一時販売中止になっていたのですが、その後を引き継ぎ、ソフトクリームを復活させたのが大木さんでした。
「うちの味を好きだって言ってくださるお客様が多いので、その期待を裏切らないように習得するのに半年ぐらいお時間をいただいた」と話す大木さん。
でもそれは相当なプレッシャーで、早く独り立ちしたいと思っていたら夢の中でも瓶詰めしたのだそう。
ブルガリアの家庭料理「タラトル」
ブルガリアの家庭料理で「タラトル」というヨーグルトスープは、無糖のヨーグルトにみじん切りにしたキュウリを入れ、オリーブオイルとニンニク、塩で味付け。
本場の味を再現するのに欠かせないのが、ディルというハーブ。さらに刻んだクルミを入れて水で少し伸ばしたら、冷蔵庫で15分ほど冷やして完成です。
直売所で買った夏野菜たっぷりの無水カレーと一緒に食べると、最高です!
頑張れる原動力は「おいしいねって言ってもらえる充足感」と話す大木さん。愛される味を守り続ける食のプロフェッショナルに出会えました。
育ちすぎた野菜を活用
続いて、野菜作りを教える先生のリアルめし。
職員寮で暮らす22歳の早矢仕先生に直売所に出せない野菜を使って作る料理をみせてもらいました。
家賃はなんと4000円というワンルームでおもむろに作り始めたのは野菜炒めです。大きく育ちすぎてしまったキャベツ、ナス、豚肉を炒め、たっぷりの味噌で味付け。
もともと八紘学園の学生だった早矢仕先生は、とにかく野菜が大好きなんだそう。野菜と人と関わる仕事がしたくて、卒業後はそのまま先生になりました。
お腹をすかせた1年生、太田くんがやってきて一緒に食べます。こんな時間を学生たちと共有できるのが幸せなんだそうです。
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