2023年7月に秋田県内を襲った記録的大雨は激甚災害に指定されている。この時に氾濫し秋田市内に甚大な被害をもたらした太平川は、大規模な河川改修が行われることになっていて、本格的な工事がまもなく始まる。

2023年7月の記録的な大雨で、秋田市では河川の氾濫に加え、大量の雨に対して排水機能が追い付かない内水氾濫が同時に発生し、甚大な被害が出た。

秋田市内を流れる太平川は、両岸に住宅地や商業施設が立ち並んでいて、周辺の被害は床上浸水が2534戸、床下浸水が1816戸に上った。

こうしたことを受け、秋田県は大規模な河川改修を進める。総事業費は195億円で、激甚災害の対策事業の一環として行われるため国の補助があり、県の負担分は87億円だ。工事は2024年中にも始まることになっていて、6日は関係者が集まって安全を祈願した。

 県秋田地域振興局・鳴海勝哉建設部長:
「2023年はこれまでに経験したことのないような被害だったので、正直に言えばどれが正解なのか、どの対策が正解なのかは分からないが、まずはできることをしっかりやって、着実に安心につなげていきたい」

今回の工事では、川に突き出ている土手の部分を深く掘り進め、護岸工事を行って川に流れる水の量を増やす。

工事ははじめに、川沿いの土砂などを取り除いて川幅を広げ、その上で新たに護岸を整備する。工事区間は、秋田市桜大橋手前から旭川への合流地点までの約4.6キロで、完成すると流れる水の量が増加する。毎秒350トンだった水の量は450トンまで増え、大雨のときに川の水位の上昇を緩やかにする働きが期待されている。

工事は下流部分から着手し、上流部分は2025年度に着工予定。全ての完成は2028年度になる見通し。

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