寄贈3000台を迎えて喜ぶ「空飛ぶ車いす研究会」の部員たち=神戸市中央区脇浜町1で2024年8月27日午後1時57分、栗田亨撮影

 神戸市立科学技術高校の部活動「空飛ぶ車いす研究会」が国内外の高齢者や障害者に贈った車椅子が累計3000台を超えた。ものづくりの技術を生かしたボランティアとして、施設や個人から寄せられた車椅子を修繕。アジア各国や東日本大震災の被災地などに届けてきた。【栗田亨】

 「空飛ぶ車いす」の活動は1999年に栃木県の工業高校で始まった。科学技術高では開校間もない2004年にスタート。修繕した車椅子は、公益財団法人「日本社会福祉弘済会」を通じ、旅行者が手荷物として運ぶなどして各地に届けている。

 修繕は部員11人を中心に実施。ノーパンクタイヤへの交換やブレーキの利きのチェック、古くなった部品の点検などをしている。これまでに約50台を修繕した部長の森崎羽琉(はる)さん(18)は「部員同士で技術を共有して高めていくよう心掛けている」と話す。

車椅子を修理する神戸市立科学技術高校の生徒たち=神戸市中央区脇浜町1で2024年8月27日午前11時23分、栗田亨撮影

 国内外の福祉施設などを直接訪れて、修繕作業や交流も重ねてきた。新型コロナウイルス禍で中断していたが、今年から再開した。今夏にインドネシア・バリ島の福祉施設に2台届けた竹田稜司さん(18)は「路面の状態の悪い現地を実際に見て、タイヤ交換など一つ一つの修繕作業の意味が分かった」と振り返る。

 8月27日には車椅子20台をトラックに積み込み、3000台の達成を祝った。顧問の樫木怜教諭(34)は「これからも安全で快適に使ってもらえるように修繕したい」と話していた。

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