米メタ(旧フェイスブック)は17日、ネット交流サービス(SNS)のインスタグラムで16歳未満の利用を制限する新機能を発表した。対象は日本を含めた世界全体。米国ではSNSを介して未成年が知らない大人とつながり、性的搾取などの被害に遭う事件が社会問題化しており、SNS大手に対策が迫られていた。
発表によると、16歳未満の利用者に割り当てられたアカウントは、非公開の「ティーン・アカウント」に自動で移行する。その利用者の投稿は承認したフォロワーしか閲覧できなくなる。その利用者はフォロワーか既につながっている人からしかメッセージを受け取れない。
16歳未満の利用者は、けんかや美容整形などを含む動画の閲覧ができなくなる。睡眠時間を確保するため、午後10時~午前7時の通知は消音設定となる。
こうした設定の解除には親など保護者の許可が必要となる。利用者が年齢を偽っていないか自動的に調べる技術も開発中だという。
これとは別に、子どもが過去7日間にメッセージのやりとりをしていた相手について、保護者が把握できるようになる。保護者は子どもに対して、1日に利用できる時間に制限を設けたり、特定の時間帯の利用を禁止したりできる。
米国や英国などでは60日以内にティーン・アカウントへ移行させる。来年1月に日本を含む世界中で移行作業を始める。フェイスブックなどメタが運営する他のSNSでも来年以降、移行を進める。
米国では未成年がSNSをきっかけに性被害に遭う事件が相次ぎ、今年1月には米上院司法委員会がメタやX(ツイッター)など大手5社の幹部を公聴会に呼び、未成年を保護するための対策強化を迫っていた。【ワシントン大久保渉】
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