2024年9月6日、名古屋市熱田区の観光名所「熱田神宮」近くに、注目の商業施設「あつたnagAya(ながや)」が誕生しました。たくさんの店舗がありますが、実は創業の地が熱田だったという、名古屋の著名な数軒の老舗も、新しいスタイルで軒を連ねています。

■顔よりデカい「たこ焼きせんべい」に信長の家紋を模したいちごのクレープも

9月6日、熱田区の名鉄「神宮前駅」の西側にオープンした、商業施設「あつたnagAya」には、飲食店やお土産店など、13の店舗が長屋のように並んでいます。

この記事の画像(21枚)

人の顔よりも遥かに大きい「ビッグたこせんべい」を販売しているお店があります。

SNSで、マヨネーズをこれでもかとたっぷりかけるたこ焼きがバズっている名古屋のたこ焼き専門店「さく蛸」です。

この「大判たこ焼きせんべい(税込800円)」はイイダコが丸々1匹入っていて、ちょうど中央に、本物のタコが陣取っています。この店舗限定の商品です。

さく蛸の櫻木潔オーナー:
観光客の方もいらっしゃったり、若い方もいらっしゃるので特大の大きなせんべいを出して喜んでいただきたいなと。

名古屋市中区に本社がある雑貨店「オリンピア」が出店したのは「あつた おりんぴ庵」です。

この店では、熱田神宮にゆかりのある信長の家紋をかたどるようにイチゴを並べたアイスクレープ「家紋いちご(税別600円)」があります。

テイクアウトすることができます。

■「風来坊」実は熱田で誕生…“亀屋芳広”や“妙香園”も

「あつたnagAya」は9月1日にオープンする予定でしたが、台風10号の影響で6日に延期されました。

施設名の「あつたnagAya」は「A」の1文字だけが大文字になっていますが、施設を運営する名古屋鉄道の担当者に理由を聞きました。

名古屋鉄道 まちづくり推進課 後藤俊幸さん:
屋根形状の波がアルファベットの「A」のように見えるということで…。

「A」は、実は屋根の形だったということです。

2023年8月、「あつたnagAya」の北側にある商店街を取材した際は、お昼時でもおよそ7割の店舗のシャッターが閉まっていて、観光客もほとんどいませんでした。

熱田神宮はコロナ禍前の2019年には、およそ740万人の参拝客が訪れた東海地方屈指の観光名所で、その観光客の流れを周辺に広げようと「あつたnagAya」が誕生しました。

「あつたnagAya」には、熱田にゆかりのあるお店も多くあります。名古屋名物・手羽先の店として知られる「風来坊」は実は、1963年に熱田区で誕生したお店です。

「元祖手羽先から揚げ」の「元祖の店」ということで、創業当時の製法で作った「もも焼き」を復刻しました。素焼きの鶏の香ばしさが自慢です。

「あずき茶屋」を運営するのは、1949年に熱田で創業した和菓子店「亀屋芳広(かめやよしひろ)」です。

通称「あんこの番人」と呼ばれる職人達の手で、10種類以上のあんこを作り分けています。

ここだけでしか食べられないメニューで、甘さを抑えた団子専用のあんこをたっぷり乗せた団子セット「あずき茶屋セット(税込600円)」は、もちもちの団子と滑らかで上品な甘みの餡が絶妙のバランスです。

団子も、岐阜県産の米粉などを使って工場でイチから蒸して作った本格的な団子です。

亀屋芳広の代表取締役 花井芳太朗さん:
生地を投入して、串が刺さった状態で出てくる機械を買いました。

この店舗のためだけに、新たな設備も導入していて、店への情熱が伝わってきます。

亀屋芳広の代表取締役 花井芳太朗さん:
初めてあずき茶屋、亀屋芳広を知った人がたくさんいらっしゃると思いますので、ひとくち食べていただいた時に亀屋芳広やあずき茶屋のことを知っていただいて、また来ていただけるようなお店になることが、観光客が増えるきっかけになればいいかなと思っています。

地元・熱田への強い思いがある店はほかにもあります。その1つが「妙香園(みょうこうえん)」です。

1916年に創業し、100年以上続くお茶の老舗で、店頭にはほうじ茶のいい香りが漂っています。

支店はいくつもありますが、「あつたnagAya」の店舗では、初めてイートインスペースを設けました。

自慢は、看板商品のほうじ茶を牛乳で割った「ほうじ茶ラテ(660円税込)」です。

他にも目にも鮮やかな抹茶ラテもあります。

老舗でありながら、時代に沿ったアレンジでお客さんを迎えます。

妙香園代表取締役 田中良知さん:
ここを拠点にしながら、熱田の魅力をお客様にお茶を飲みながらお伝えして、ちょっと回ってみようかな、足を伸ばしてみようかなというきっかけになるようなお店にしたい。熱田に育てていただいた会社ですので、熱田をもっと盛り上げて、世界一の熱田にしていきたいなと思っております。

地元待望の「あつたnagAya」。熱田の逆襲が始まります。

■逆襲に繋がるのか…「あつたnagAya」

観光スポットの観光客数は、新しい商業施設で大きく変わります。「おはらい町」は、昭和50年~60年代 は訪問者が約20万人しかいませんでしたが、1993年に「おかげ横丁」が誕生し、2019年には、約590万人もの人が訪れる一大観光地になりました。

名古屋城は、2017年の入場者は180万人でしたが、2018年に本丸御殿復元とともに飲食店などが並ぶ「金シャチ横丁」がオープンし、入場者が1年で約30万人増えました。

「あつたnagAya」では、11月以降に3つの店舗が追加でオープンし、全16店舗が揃うということです。

2024年9月6日放送

(東海テレビ)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。