不登校対策の一環として、千葉市は、少人数学習やグループ活動など生徒自身が学び方を選べる中学生対象の「学びの多様化学校」を、2030年度に開校する方針を明らかにした。11月28日に市役所で開かれた市長と市教育委員会による市総合教育会議で報告された。
市によると、23年度の市内の小中学校の不登校児童生徒数は、過去最多の2142人で近年急増している。
市の案によると、多様化学校は一般の中学の年間授業数が1015時間なのに対し850時間程度に抑え、登校時間も柔軟に設定するなど特色ある教育課程を編成して通いやすくする。集団学習が苦手な生徒のために、個別や少人数指導、グループ学習など、多様な学びの場を設ける。ひきこもりの生徒向けに、自宅で学べるオンラインコースの設置も検討中だ。
同様の学校は既に京都市や大阪市など全国に35校あり、県内では25年度に初めて浦安市に設置される予定で、文部科学省は全国に300校設置することを目指している。
募集定員は各学年20人程度。生徒には多様化学校で学び卒業することを目標とし、進学を含めた社会的自立を目指してもらう。教職員には学習相談支援員やスクールソーシャルワーカーなどの配置も検討している。
同市美浜区の旧高洲第二中学校跡地の校舎を改修して、稲毛区から移転する教育センターとの併設を想定している。敷地内にはプロバスケットボールチーム「アルティーリ千葉」の練習場や保育所、特別養護老人ホームも整備される計画だ。スポーツ選手と交流したり、職場体験や合唱の発表会などを通じて、園児や高齢者らと触れ合ったりしやすい環境になるという。
市教育支援課の担当者は「『この学校なら通える』と思ってもらって、ここで学習や学校行事の体験を積み、将来は社会に出て自立できるようにしたい。学校に行けないことでその子の学びが止まらないように、少しでも多く学びの場を保障していきたい」と話している。【大槻英二】
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