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 5日に国会で行われたのは、石破茂総理大臣初の予算委員会。その委員長のポストが30年ぶりに野党に移りました。どんな変化があったのでしょうか。

■「国会論戦の花形」委員長ポストが野党へ

石破総理初の予算委員会 この記事の写真

 石破内閣で初めてとなる衆議院の予算委員会です。5日の予算委員会は、これまでの予算委員会とは少し違います。何しろ、委員長が野党・立憲民主党の議員です。

石破総理大臣
「おはようございます。どうもお世話になります」 立憲 予算委員会 安住淳委員長
「いえいえ、こちらこそ」 国会論戦の花形ポストが野党に

 委員会が始まる前は、石破総理らと談笑している場面もありましたが、はたして…。

安住委員長
「みなさん、おはようございます。これより会議を開きます」

 解散総選挙で議席を大幅に減らした自民党は、「国会論戦の花形」とも呼ばれる予算委員会の委員長ポストを野党に明け渡したのです。

野田代表が安全保障を質問 立憲民主党 野田佳彦代表
「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が44年ぶりに非常戒厳宣言をされました。もう一つ、とても心配しているのは北朝鮮の動向なんです。東アジアの安全保障情勢なども含めて、総理が今どうやってご覧になっているか、まずご見解をお願いしたいと思います」 石破総理
「これは恐らくと言っていいのかどうか。安全保障の状況が根底から変わるかもしれないという危惧の念を抱いております」 2月26日 予算委員会

 質問に立った議員が総理を指名し、総理がそれに応じて答える。当たり前のことだと思うかもしれませんが、決してそうではありませんでした。

 例えば、与党・自民党が委員長ポストを占めていた2月26日の予算委員会では、総理の答えを聞きたいのに委員長が別の人を指名し、別の人が答える。これがよくある風景でした。

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■少数与党の国会論戦 石破政権の対応は

■少数与党の国会論戦 石破政権の対応は

安住委員長

 改めて、立憲民主党の安住議員が委員長を務める5日の予算委員会では、次のような答弁がありました。

野田代表
「『(裏金問題で)新しい事実が認定されたので再調査したらどうですか』ということを党首討論で何回も言いましたけれども、党として再調査するお気持ちはあるかどうか。総裁としてご見解をお伺いしたいと思います」 石破総理
「それの何が問われているかというと、政治資金規正法。きちんと申し上げております。よくお聞きください。政治資金規正法の趣旨は公開性・透明性ということだと。それを党として調べることの限界もございますし、そこにおいて新たな事実が判明したというふうに私自身認識をしておりません」

 野党の要求に積極的に応じる姿勢も見られました。

野田代表
「1回、法廷で証言をされた安倍派の会計責任者・松本淳一郎さん。これ参考人として予算委員会に招致をしてほしいと思いますが」 安住委員長
「ご提案の件については、理事会で速やかに協議します」 野田代表
「ありがとうございます」 選択的夫婦別姓巡る答弁 立憲民主党 岡本あき子議員
「選択的夫婦別姓について伺わせてください。石破総理、自民党の総裁でもあります。ぜひこの議論を急いでもらいたいという意思表示、党の中でまず始めてもらえませんか」 石破総理
「それはいかがなものかという方も、我が党の中に確実にいらっしゃるわけで、そうなった場合に本当に家庭というのはどうなっていくのだろうか。あるいは兄弟の間で氏が違うということをどう考えるんだということについて、本当に強い問題意識も持った方がおられることも事実でございます」 注意も

 もちろん、質問に立った議員が求める人と違う人を指名する場面もないわけではありません。

立憲民主党 階猛議員
「総理の見解をお願いします」 安住委員長
「ちょっと政府側の認識を聞きたいから、厚労大臣が手を上げているので」

 そして、同じ立憲民主党の議員に注意する場面もありました。

立憲民主党 神谷裕議員
「じゃあ最後に」 安住委員長
「いやいや、もう時間がないから」 神谷議員
「ということで頑張っていきますので」 安住委員長
「時間を守りなさい」

 少数与党の国会論戦。これまでとは少し違った形になるかもしれません。

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