東京都内の整形外科で、けがの治療に訪れた中国人少年に対するアンケート内容が、波紋を呼んでいる。
アンケートでは「診察料も払わずに帰ってしまう、などという事は絶対しませんか?」や、薬の転売を疑うような内容の質問があった。
これを見た中国人の少年は、「差別だ」と病院側に訴えたという。
サッカーでケガをし治療に来た14歳中国人少年に対し…
日本に住む中国人の少年が、病院で渡されたアンケート。
そこには、驚きの内容が記されていた。
このアンケートは、日本語の理解度をチェックするために使用します。失礼に感じられた場合は、お許しください。
11月中旬にサッカーをしていて、けがをした14歳の中国人の少年が、親族と一緒に東京都内の整形外科に駆け込んだ。
すると診察の前に、アンケートへの記入を求められたという。
「もらった薬を、他人に売りつけることは考えていますか?」
日本語が読める少年に対し、質問は日本語で8つ。
どの質問も、患者に対するものとしては違和感のある内容だった。
本日、折角ご来院いただきましたが、ご自分の症状を正確に医師に伝える事や、医師からの指示を正確に理解する自信が無いため、今日の受診は取りやめますか?
あなたは今日の診察に対して、ご自分が納得いかなかったら、騒いだり、場合によっては診察料も払わずに帰ってしまう、などという事は絶対しませんか?
さらに、薬の転売を疑うような質問もあった。
適当な話を伝えて、ほしい薬だけを貰って(もらって)おこうという気持ちですか?
貰った薬に関しては、他人に売りつけるなどの事を考えていますか?
これを見た中国人の少年は、「差別だ」と病院側に訴えたという。
医院側「全て過去にうちであったトラブル」
少年の代理人弁護士は、アンケートを次のように問題視する。
少年の代理人・戸舘圭之弁護士:
診察はお断りするんだという形で門前払いをしようという意思がある。属性に基づいて、一律に診療から排除するという意思が見られるので、問題があると思う。
さらに「医師法に違反する可能性」もあるなどとして、病院の理事長や厚生労働大臣に抗議文を送った。
どのような考えでこのようなアンケートを作り、中国人の患者に記入を求めているのか。
イット!の取材に医院側は、次のように説明した。
文面にある項目は、すべて過去にうちであったトラブルです。言葉がわからない診療は、とても危険であるということを理解していない。言葉が分からない人はお断りしているが、私どもは、地域の中で言葉が分からない人を診察している方です。
また、日本語が話せないすべての外国人に同じ内容のアンケートを行っていて、中国人を差別しているわけではないと説明した。
日本に住む中国人は、どう受け止めているのか。
日本に5年住む中国人:
アンケートはいい。少年のショックは想像できる。
日本に7年住む中国人:
早くに治療してあげて。
なぜ外国人への診療敬遠?
外国人への診療が敬遠される状況は、なぜ起きるのか。
東京駅の近くで多くの外国人を診療する、東京ステーションインターナショナルクリニックの田陽院長は、次のように話す。
東京ステーションインターナショナルクリニック・田陽院長:
一番は言語の問題。言いたいことが通じなかったり、文化的な背景が違うので、日本人と同じ感覚で対応すると、コミュニケーションのミスが生じる。
(「イット!」12月6日放送より)
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