厚生労働省の再生医療等評価部会は16日、神戸市立神戸アイセンター病院が計画する、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った網膜の細胞をひも状に加工し、重い目の病気の患者に移植する臨床研究について、大筋で承認した。医療費の一部に公的保険が適用される「先進医療」に認めるかの検討に進む。

研究計画によると、光を感知する機能の維持に関わる「網膜色素上皮細胞」を他者のiPS細胞から作製。ひも状にして「網膜色素上皮不全症」の患者15人に移植する。同病院ではこれまで、患者3人への移植を実施しているが、より多くの患者に届けるため、先進医療向けの計画をあらためて出していた。

iPS細胞の臨床研究で先進医療を申請するケースは初となるため、同日の部会で審査の流れを整理。この部会で承認後、先進医療会議などで議論し、再度部会で諮った上で提供できるようになるとした。

神戸アイセンター病院は来年1月にも先進医療として申請を行う方針を明らかにしている。〔共同〕

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