NTTドコモは「ふるさとチョイス」と連携し、ドコモの店舗でふるさと納税の魅力や手続き方法を説明する中高年層や初心者向けの勉強会を実施した。「手続きが難しそう」「対面相談できる窓口がない」といった課題の解消を目指している。
店舗で学ぶ「ふるさと納税」の仕組みと魅力
NTTドコモは16日、国内最大級のふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」と、初めて店舗でのコラボレーションを開催した。全国の店舗での生活に役立つ学びを提供する「くらしの相談会」と連携した、中高年層や初心者向けのふるさと納税の勉強会が行われている。
この記事の画像(6枚)ドコモショップ 丸の内店・竹内ちひろ講師:
返礼品として地域の特産品が選べる・貰えるという部分、あとは寄付金の使い道を指定できる、寄付した金額は翌年の課税から控除される。この3つの魅力があります。
株式会社和上ホールディングスの調査によると、サラリーマンの約7割(「かなり意識している(21.3%)」「意識している(47.0%)」)が節税を意識していて、実際に節税を行う手段としては、NISA(40.9%)や生命保険料控除(42%)を抑えて、もっとも多いのが「ふるさと納税(47.0%)」だ。
ただ、利用・関心が高まる一方で、「制度・手続きが難しそう」「対面相談できる窓口がない」といった声もある。
「スマホを活用した便利で楽しい生活」を提案しているNTTドコモは、こうした課題に対して、リアル店舗でスマホを使ったふるさと納税の始め方などを説明する場を設けた。「たまたま知り合いから勉強会があることを聞いて来た」という女性は、講師とマンツーマンで相談もしていた。参加者からは「参考になった」「直接質問できて良かった」といった声があがった。
参加者(70代):
今日参加したのは、仕組みそのものがどういうものかというのを聞きたくて来まして、大変参考になりました。私が年取っているので、理解するにはやっぱりこうやって説明聞いた方がよく分かります。
参加者(40代):
実際に返礼品が見られたり、分からないときは直接聞けるのでよかったです。意外と手続きがシンプルで、これだったらやってみようかなと。
一方、ふるさとチョイスは「税金の使い道が選べることも魅力だ」と話す。
ふるさとチョイス 広報・宗形深さん:
能登半島であったり、この税金、この寄付を何に使ってほしいかと選べるので、寄付をしてその地域を応援するといった形でふるさと納税が広がればなと考えています。
NTTドコモは「くらしの相談会」について、「今後もお客様のニーズに合わせて、人生を豊かにするための気づきや、発見の機会を提供する新たな講座を企画してまいります」としている。
リアル窓口で得られる“安心感”
「Live News α」では、消費経済アナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。
堤礼実キャスター:
「ふるさと納税について相談する場所がない」という声に応える取り組みですね。
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
ふるさと納税には、お得な節税効果があるんですが、総務省のデータによると、利用率は約16.7%とかなり低くなっているんです。
税金制度は少し難解なものが多く、取っつきづらいのが参入障壁を高くしていると思われます。例えば、シニアにとっては少し難解なスマホの登録や操作についての相談先や利用ツールは、購入店がいいという人が4割を超えています。対面での対応を望むお客さまが多いということです。そのため、ドコモショップの店員は、デジタルスキルの低いお客さまに対して、スマホの設定や契約内容など難解な説明を得意としているので、ふるさと納税を希望している顧客に対する説明窓口としても、非常にマッチした場所であることは間違いないです。
堤キャスター:
リアルの窓口ならでは良さということですか。
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
ネットで完結する時代だからこそ、リアル窓口が大切となり、ふるさと納税の制度や税制メリットを対面でのコミュニケーションで店員と直接話すことができるのは安心感につながると思います。また、商品の詳細な説明や適切なアドバイスを受けられることも、魅力となるのではないかと思います。
実店舗を持つふるさと納税の窓口としては、ローソンが47都道府県全店でカタログを置き、ふるさと納税の自社サイトに誘導する告知をして、今後は独自の商品開発企画も増やしていくようです。
より「楽しさ」を加味したふるさと納税に発展する可能性
堤キャスター:
今後はどんな展開が予想されますか。
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
ドコモショップでは、今回のポップアップ企画を拡大していけば、ふるさと納税の魅力的な返礼品を、ネット上だけではなく実際に見ることが可能になり、知名度をアップさせたい地方自治体にとっても大変喜ばしい企画になっていくのではないかと思います。
今後、ドコモショップでの分かりやすい説明が、ふるさと納税の参入障壁を下げるとともに、ポップアップ企画は他のふるさと納税との差別化が図られ、お得だけでない、より楽しさを加味したふるさと納税に発展する可能性のある取り組みになっていけばいいなとも思います。
堤キャスター:
色々なことがスマホ1つで出来る時代だからこそ、リアル店舗での開催という強みを活かして、学ぶだけでなく相談できる場としても活用されていくことを期待したいです。
(「Live News α」12月16日放送分より)
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