衆院3補欠選挙が16日告示され、柿沢未途氏=自民離党、公選法違反で有罪判決確定=の辞職に伴い実施される東京15区では、新人と元職9人が立候補した。選挙区は江東区全域で、候補者は区役所周辺やJR亀戸駅前、東京メトロ豊洲駅前などに立ち、通りゆく人たちに支持を訴えた。

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◇立候補者 告示日の訴え(届け出順)

◆福永活也氏

 諸派「NHKから国民を守る党」新人の福永活也氏は午前11時、江東区役所前で第一声。弁護士の経験を活かし、政策には、養育費不払いや誹謗(ひぼう)中傷への対策を掲げた。今回の出馬について、4日前に友人で同党の立花孝志代表からLINEで打診されたと明かし「立花さんのように少し変わった人にも世の中が寛容になれば、日本を一歩前に進める人が出てくるんじゃないか。その一助になりたい」と決意の理由を説明した。エベレスト登山のため17日には都内を離れて20日に出国、22日にベースキャンプ入りするという。今後はSNSで有権者に政策を訴える。

◆乙武洋匡氏

 無所属新人の乙武洋匡氏は午前11時、JR亀戸駅北口前のロータリーで第一声。偏った主張で注目を集める政治団体を踏まえ、「私が行いたい政治は、現実的な政治。建設的な議論、安定的な国会運営ができるのかをもとに、政策を前に進め、国民の生命と財産を守りたい」と力を込めた。  エネルギー問題では「原発に賛成、反対ということばかりがクローズアップされるが、大事なのは、どんなエネルギーを組み合わせて使うかの議論」と主張。自身の障害に触れ「一人一人に寄り添う政治を、誰よりも助けられた私にやらせてください」と訴えた
  

◆吉川里奈氏

 参政党新人の吉川里奈氏は午前10時半ごろ、東京メトロ東陽町駅近くの選挙事務所前で第一声。政治と金の問題が相次ぐ中、今回の補選を「諦めモードになっている日本の危機的状況を変えていくための選挙戦」と強調。教育や、食と健康、外国資本に流されない強い国作りを掲げる一方、小中学生の3人を育てる母の一人として、「世襲、お金ではない国民が作る新しい政治を江東区から、全世代の皆さんのために人生をかけて戦っていく」と力を込めた。  第一声には参政党代表の神谷宗幣参院議員も駆けつけ、マイクを握った。

◆秋元司氏

 無所属元職の秋元司氏は正午前、江東区役所向かいの事務所前で出陣式を開き「政治不信、江東区の混乱のスタートは私が作ってしまった。自らしっかりと収めていかなくてはいけない」と語った。  カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で収賄などの罪に問われ、先月の控訴審判決も有罪となったが、判決を不服とし即日上告した。  自民党公認候補が不在の選挙戦。自民党で衆参両議員を務めた実績を強調し「私自身が自民党の政策を作ってきた。自民党の思いも背負って戦いたい」と訴えた。

◆金沢結衣氏

 日本維新の会新人の金沢結衣氏は午前10時半ごろ、江東区富岡の富岡八幡宮前でマイクを握り「しがらみまみれの政治を、この江東区から刷新していきましょう」と訴えた。  「しがらみのないクリーンな政治。企業や団体から寄付を受け取らない。会計責任者を自分に。簡単じゃないが、それを行動に移してきたのは唯一、日本維新の会、金沢結衣だけ」と声を張り上げた。党の馬場伸幸代表が駆けつけ「もうぼちぼち15区からクリーンな政治家を輩出していただきたい」と呼び掛け、藤田文武幹事長も「政治とカネの問題を元から絶つ」と強調した。

◆根本良輔氏

 諸派「つばさの党」新人の根本良輔氏は午前9時15分ごろ、江東区東陽の交差点で第一声。年金制度について「破綻しかかっている」と批判し、現在の賦課方式ではなく積み立て方式への改革を訴えた。また、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)などの特定の宗教が「政権与党の裏側にいる」と主張。15区について「他のすべての候補者に問題がある。選挙でしっかり追及していく」と宣言した。  つばさの党代表の黒川敦彦氏も駆けつけ「皆さんと一緒に日本から世界を変えていきたい」と訴えた。

◆酒井菜摘氏

 立憲民主党新人の酒井菜摘氏は、東京メトロ豊洲駅前で「大好きなまちに政治の汚職が広がった。自民に政治を任せてはいけない。私たちの力で私たちの手に政治を取り戻そう」と第一声。助産師の専門性などを生かして少子化対策や女性の健康問題に取り組み「子育て先進国にしたい」と力を込めた。応援演説で立民の泉健太代表は自民党の裏金問題に触れ「自民には自分たちを処分する能力もない」と批判。「政治を変えるため一緒に立ち上がろう」と呼びかけた。立民の都連会長の長妻昭衆院議員らも応援にかけつけた。

◆飯山陽氏

 諸派「日本保守党」新人の飯山陽氏は午前9時半ごろ、江東区富岡の富岡八幡宮前で「権力も利権も組織もない人間が勝ち残ることができたら『政治にはカネが必要なんだ』という政治家の常とう句をくつがえすことができる」と訴えた。  飯山氏は「既存政党に支配されたままなら10年後、20年後は今の日本のままではいられなくなる」として政治の刷新を呼び掛けた。  応援に駆け付けた同党共同代表の河村たかし名古屋市長は「当たり前の政治をつくらにゃいかん」、同党代表で作家の百田尚樹氏は「この1議席は必ず日本を変える」と訴えた。

◆須藤元気氏

 無所属新人の須藤元気氏は午前10時半、江東区の東陽公園に自転車に乗って登場。演説では「生まれ育った東陽町で、このように、この場に立てることを大変うれしく思う」と地元への思いの強さをアピールした。  昨年末に母親が他界。居酒屋を営む父親を支えるために江東区に戻ったことが出馬のきっかけになったという。「『江東区をなんとかしてくれ』とたくさんの方に言われた。今、多くの人が政治に憤りや不信感を持っている」と強調。「完全無所属の私が勝利することで、この行き詰まった政治を変えることができると信じている」と訴えた。 

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