7月7日投開票の東京都知事選は21日、選挙戦2日目となった。3選を目指す現職の小池百合子氏(71)はこの日も街頭には出ず、定例会見をこなすなど、公務最優先の姿勢を続けた。 前参院議員の蓮舫氏(56)は、自民党の裏金問題で処分を受けた萩生田光一衆院議員(60)の地元・八王子市内で熱弁をふるった。(渡辺真由子、原田遼)

◆小池氏:尾を引く4月の選挙妨害「身の危険感じた」

定例会見をする小池百合子知事=6月21日午後2時21分、東京都庁で(渡辺真由子撮影)

小池氏は21日午前、選挙戦初となる街頭演説を八丈島で実施する、と自身のX(旧ツイッター)で発表。八丈島は、小池氏が初当選した2016年の都知事選でも、告示日翌日に視察に訪れたゆかりの場所。この日の定例会見でも「2016年は最初の遊説の地を島を選んだ。そしてさっそく、あした選挙活動を行いたい」と意欲をにじませた。 この日午後の告示後初の定例会見では、選挙戦に関する質問が飛んだ。告示日に街頭に出ず、事務所内での出発式とした理由について、小池氏が新人候補の応援に入った4月の衆院15区補選で、政治団体「つばさの党」の選挙妨害があった影響と説明。「経験したことのないような選挙で、身の危険を感じるような第一声の場だった」とし、「今回、どうなるのか見守っていきたいという気持ちも正直ある」と明かした。

◆街頭演説は奥多摩でも 「お会いできるの楽しみ」

今後は奥多摩エリアなどでの街頭演説を予定しているとし、「都民の皆さん、それぞれの場でお会いできるのを楽しみにしている」と語った。 小池氏は、告示日の民間事業者による千代田区の緑化事例の視察に引き続き、週末も視察で奥多摩町のダムを訪れる予定だ。「参考になる場所ですし、都としてより広く伝えていくのには、私の視察とともに、より伝播力、効果があるのではないかなと思っている」と強調した。

◆蓮舫氏:萩生田氏地元で「政治資金パーティー開催しない」

街頭演説後、集まった聴衆と握手を交わす蓮舫氏=6月21日午後6時38分、東京都八王子市で(原田遼撮影)

蓮舫氏は21日夕、JR八王子駅前に立った。自民党の裏金問題を受けて「政治資金パーティーを開催しない」とした自身の公約を強調した。八王子市は裏金問題で、自民党本部から役職停止処分を受けた萩生田都連会長の地元だ。 小池氏は「透明性を確保する」とした上でパーティー開催を続ける意向を示すが、「今回の裏金問題は法律の枠で分からなかった。数字をなかったことにして、浮いた金をポケットに入れていたじゃないか。絶大な権力を持っている都知事だからこそ、政官業の癒着が疑われるパーティーはしてはいけない」とこぶしを握りしめて訴えた。

◆「戦う相手は小池さんだけじゃない」

自民は小池氏を支援している。蓮舫氏の陣営幹部は「きのうは区部、きょうは三多摩地域で演説する計画だった。そしたら話題になるここしかない」と、開始前から気合十分。司会の市民運動家、菱山南帆子さんが「戦う相手は小池さんだけじゃない。自民都連との戦いでもある。都連会長は誰ですか?」とあおると、「萩生田」と聴衆から合いの手が飛んだ。 応援弁士で登場したジャーナリストの有田芳生さん(72)は、旧統一教会と関わり合いがあった過去にふれ、「萩生田氏と旧統一教会はズブズブ。沈むほど関係があった」と指摘。蓮舫さんの古巣、立憲民主党の岡田克也幹事長(70)は「党の役職停止を受けているのに都連の会長を続けている。なめきっているじゃないか」と憤った。 

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