自民党の茂木敏充幹事長は22日の都内での講演で、日銀について「段階的な利上げの検討も含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と語った。過度な円安の是正へ分かりやすい情報発信を求めた。

政治から独立した立場にある日銀の対応に関し、自民党の執行部が公の場で注文をつけるのは異例だ。茂木氏は「過度な円安は日本経済にとってマイナスなのは明らかだ」と述べ、円安による物価高が長引くシナリオに危機感を表明した。

円安の是正策として「(日銀が)金融政策の方向性をはっきり、ぶれずに示すことだ」と説明した。金融引き締めは「日本企業の経営からいって基本的に十分対応できる」と主張した。

日銀は6月に長期国債の買い入れを減額する方針を決めたものの、具体策は7月末に決めるとした。金融市場で日銀が金融引き締めに慎重との見方が広がった。同じころに米国で利下げ観測が後退したこともあり、円安が急速に進む場面があった。

茂木氏は「円安傾向を根本的に反転させるには日本の本格的な経済再生が必要だ」とも唱えた。「必要なのは経済を本格的に再生して強い日本をつくり、その結果として強い安定した円を実現することだ」と発言した。

9月に予定する自民党の総裁選にも言及し、9月上旬までに出馬の是非を判断する意向を示した。判断基準について「日本が直面する厳しい課題にどうすれば対応できるかを中心に考える」と語った。

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