秋田県大館市長選が1日に投開票され、いずれも無所属新顔で、元市議の石田健佑氏(27)が元市議の日景賢悟氏(55)=公明党県本部推薦=と福祉施設役員の麓(ふもと)幸子氏(62)を破り、初当選を果たした。全国市長会によると、昨春の兵庫県芦屋市長選で当選した27歳の高島崚輔氏は2月生まれで、6月生まれの石田氏が全国の現職市長で最年少となる。当日有権者数は5万8056人、投票率は59.18%(前回61.08%)だった。
支持者たちが喜びを爆発させた事務所で、石田氏は「当選がゴールではない。市民と一緒になって、大館の町を一歩一歩前に進めて行きます」と紅潮した表情であいさつした。
市は急速な人口減少と高齢化に直面している。4月1日現在の人口は約6万6千人で、10年前と比べて1万人以上も減った。65歳以上の高齢化率は40%を超える。2050年には人口が4万人を割る推計もあり、対応が求められる。
石田氏は東京からUターンし、カブトムシに有機廃棄物のエサを食べさせて飼育する会社を起業。昨春の市議選に立候補し、4千票以上を得てトップ当選した。市長選では若手の経営者らを中心に支持を広げた。
選挙戦で重点を置いたのは、人口減少や少子高齢化対策だ。若者が働きたいと思える仕事の創出や、担い手不足解消のために市外からの人材獲得などの政策を打ち出した。街頭では「若いからこそ行動力がある」と呼びかけた。
日景氏は、次期衆院選秋田2区に自民党公認で立候補予定の福原淳嗣市長らが支援した。稼ぐ力を意識した「地域商社」の設立や、国や県との連携強化を主張したが、及ばなかった。
3度目の挑戦の麓氏は特定の団体の支援を受けない「草の根」の選挙戦を展開。市政刷新を唱えたが、届かなかった。(滝沢隆史、阿部浩明)
秋田県大館市長選の確定開票結果
当 12,882 石田 健佑 27 無新(1)
12,573 日景 賢悟 55 無新
8,669 麓 幸子 62 無新
(確定得票)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。